フィリップ モリス ジャパンはこのほど、2020年4月1日に全面施行された改正健康増進法全面施行に関する全国生活者意識調査を実施し、結果を公表した。
同調査は、緊急事態宣言解除後の6月1日〜2日、全国の20代〜60代の男女2,000人を対象に、インターネット調査にて実施。ウェイトバック前:喫煙者1,500人(紙巻たばこのみ喫煙500人、加熱式たばこのみ喫煙500人、紙巻・加熱式併用500人)、非喫煙者500人。ウェイトバック後:喫煙者392人(紙巻たばこのみ喫煙214人、加熱式たばこのみ喫煙90人、紙巻・加熱式併用87人)、非喫煙者1,608人。スコアは年代の人口構成に合わせ、喫煙者(紙巻のみ・併用・加熱式のみ)・非喫煙者の出現率を用いウェイトバック集計を行っている。
2020年4月1日に改正健康増進法が全面施行され、飲食店などでの屋内喫煙ルールが変更された。まず、4月1日以降に飲食店で「店内飲食した」のは42.0%と半数以下となった。飲食店などでの喫煙ルールの変更については、59.4%が「なんとなく聞いたことがある程度」で、20.2%は「全く知らない」と回答し、認知が広まっていないことがわかった。喫煙者でも認知は40.2%にとどまり、非喫煙者では 84.4%が「なんとなく聞いたことがある程度」、または「全く知らない」と回答した。
また、改正健康増進法全面施行による喫煙ルールの変化を「実感」しているのは 全体で29.5%と3割未満しかおらず、喫煙者では61.8%が「実感」している一方で、非喫煙者では78.4%が実感していない結果となった。
改正健康増進法全面施行により、喫煙専用室、加熱式たばこ専用喫煙室、喫煙目的室、喫煙可能室の4つの喫煙室区分が設定された。喫煙専用室では、紙巻たばこも加熱式たばこも喫煙が可能だが飲食はできない。そこで、飲食店での喫煙について、喫煙専用室では紙巻たばこを吸いながら飲食できる と思うか聞くと、「そう思う」(33.8%)+「わからない」(17.8%)と答えた51.6%は正しく理解していないということがわかった。
また、加熱式たばこ専用喫煙室では、加熱式たばこに限定して飲食が可能。そこで、加熱式たばこ専用喫煙室では加熱式たばこを吸いながら飲食できるかと聞くと、「そう思わない」(42.5%)+「わからない」(18.2%)と答えた60.7%は正しく理解していないことがわかった。
これら4つの喫煙室区分についての説明をみてもらった上で、「全て詳しく理解している」と答えたのはわずか4.3%しかおらず、喫煙者でも9.4%、非喫煙者では2.9%の理解にとどまった。
改正健康増進法全面施行により、「喫煙目的室」(喫煙を主目的とするバー・スナックなど)、「喫煙可能室」(客席面積100未満かつ資本金5,000万以下で、2020年4月1日時点で営業している店舗)を除き、「加熱式たばこ専用喫煙室」(加熱式たばこのみ喫煙できる喫煙室)でのみ、飲食しながらの喫煙ができることになった。この新ルールについてどう思うかと聞くと66.9%が「受け入れられる」、58.4%は「好意的に受け止められる」と答え、非喫煙者だけで確認すると61.6%が「好意的に受け止められる」と答えた。
受け入れられる(もしくは好意的に受け止められると答えた非喫煙者にその理由を聞くと、「受動喫煙の心配が少なくなるから」(60.0%)が最も多く、「においや煙を気にせず、お店を選びやすくなるから」(42.6%)という意見が一層高くなっている。
改正健康増進法全面施行はあなたの生活にどのような影響を与えるかと聞くと、紙巻たばこのみの喫煙者の14.9%が「紙巻たばこと加熱式たばこやベイパー製品を併用する(併用を考える)」、5.4%が「紙巻たばこから加熱式たばこやベイパー製品へ完全に切替える(切替えを考える)」と答えた。紙巻たばこのみ喫煙する人のおよそ5人に1人(20.3%)が、新ルール施行を契機に加熱式たばこやベイパ―製品の併用や切替えを検討・実践している。
また、現在加熱式たばこを使用する178人の中には、改正健康増進法全面施行を受けて加熱式たばこを使用するようになったと答えた人が約2割(18.8%)いることがわかった。併用者では4人に1人以上(26.9%)が新ルールをきっかけに加熱式たばこを使用するようになったと答えている。
加熱式たばこの使用や切替えの理由として、「飲食店で喫煙できなくなった。居酒屋ではとても肩身が狭いので、加熱式たばこに変更しようかと思う」(男性23歳)、「加熱式たばこと併用しながら吸える場所やお店を探し開拓して行こうと思います」(男性39歳)、「食事中にタバコを吸いたいので、吸えなくなるから加熱式たばこを考えます」(男性37歳)、「周囲や家族が煙や匂いを感じなくなることから完全に切替えたいと思う」(男性56歳)、「加熱式たばこの方が煙も少ないので、非喫煙者や周囲に与える不快感を紙巻たばこよりも軽減させることができる」(女性35歳)のような意見が寄せられた。
改正健康増進法全面施行により、紙巻たばこの喫煙をしながらの飲食は不可となった一方、飲食を伴う加熱式たばこの使用が可能となったことで、非喫煙者、喫煙者双方に新ルールが好意的に受け入れられ、喫煙者の加熱式たばこへの切替え検討が増加するなど、加熱式たばこ自体の存在感が増す結果となった。