実績十分の40代棋士3人と新進気鋭の若手1人という構図。挑戦者決定三番勝負に進出するのは果たして誰か!?
将棋界最高峰の棋戦である、第33期竜王戦(主催:読売新聞社)決勝トーナメントが佳境を迎えています。残すは準決勝の2局と、挑戦者決定三番勝負のみです。8月12日には久保利明九段-丸山忠久九段戦が、13日には羽生善治九段-梶浦宏孝六段戦が行われます。
久保九段は1組3位の成績で決勝トーナメントに進出し、トーナメントで佐々木勇気七段(2組優勝)を破っての準決勝進出。過去には第23、24期で挑決まで進むも、いずれも挑戦権を獲得するには至りませんでした。最近では第68期王座戦で挑戦権を獲得し、好調な久保九段。今年2つ目のタイトル挑戦を目指します。
丸山九段は2組2位で決勝トーナメントに進むと、藤井聡太棋聖(3組優勝)、佐藤和俊七段(1組2位)を破りました。とくに藤井棋聖との対局は千日手指し直しとなる激戦。藤井棋聖にとってはタイトル獲得後の初黒星となった一局でした。1組優勝は最多の5回。挑決進出も過去に5回と好相性の竜王戦で、今期も大活躍中です。
羽生九段は1組優勝のため、準決勝からの決勝トーナメント参加です。永世竜王の資格を持ち、99期目に獲得したタイトルも竜王の羽生九段。トーナメントの絶好のポジションから、タイトル獲得通算100期に挑みます。
これまで紹介した3棋士は、皆タイトルを複数獲得の経験があります。実績十分の40代棋士に一人混じるのが、梶浦六段です。梶浦六段は7月に25歳になったばかりの新進気鋭の若手棋士。決勝トーナメントでは高野智史五段(6組優勝)、石井健太郎六段(4組優勝)、木村一基王位(1組5位)、佐藤康光九段(1組4位)と若手実力者やトップ棋士達をなぎ倒してきています。現行の決勝トーナメント制度になった第19期以降で、トーナメントの一番低い山から参戦する5組・6組優勝棋士が、準決勝まで勝ち上がったのは史上初の快挙です。梶浦六段の「竜王戦ドリーム」はまだまだ続くのか、注目です。
豊島将之竜王(名人)への挑戦権を獲得するのは、果たして誰になるのでしょうか。