あなたが一緒に働きたいのは、どんなタイプの人ですか? 熱い情熱を持つリーダー? それとも高い能力を持つ人でしょうか。消化器外科専門医の外科医けいゆうさん(@keiyou30)がツイッターに投稿した、「研修医の頃に出会った尊敬できる先輩の特徴」に共感が集まっていました。
とても厳しく苦しい現場で働いていた研修医の時期をふと思い出すと、不思議と今でも尊敬できる先輩といえば、能力が高い人よりむしろ「どんなに忙しくてもテンションが安定している人」だった。
厳しい現場ほど、「機嫌の良し悪しがなく浮き沈みがない人」がチームの心理的な柱になってくれる。(@keiyou30より引用)
外科医けいゆうさんが未だに尊敬しているという先輩。それは、能力が高い人よりもむしろ「テンションが安定している人」なんだそうです。これ、きっと共感できる人も多いのでは。極めて能力が高い人でも、機嫌が良いとき・悪いときの対応に差があったり、「今は話しかけて大丈夫かな?」なんて気を使う人だと、チームのパフォーマンスが著しく下がる、なんてことよくあります。
我々は、どのようにして「テンションの上下」に対抗していけばよいのでしょうか。外科医けいゆうさんにお話を聞いてみました。
――医療の現場では、特に浮き沈みのない安定したメンタルでいることが重要になってくるかと思います。お話で登場した先輩は、どのような人でしたか?
「常に前向きでパワフルで、根っから明るい人でした。つまり自然体でいるだけで機嫌の良し悪しがなかったわけです。ただ、正直このタイプを真似するのは難易度が高いと思っています」。
――たしかに、ある種の“超人”ですね
「仕事では日々いろんなことが起こりますので、普通は心理状態を一定に保つこと自体そもそも不可能。むしろ『機嫌の良し悪しを表に出さない』ことや『周りに気を遣わせない』ことを意識しておくことが大切だと私は考えています。
内面的な浮き沈みは不可避であると自覚し、浮き沈みに翻弄されないよう努力することが大切です」。
――「今自分の気分は沈んでるな」と少しでも自覚するだけでも心境に変化がありそうですね
「この複雑な社会において『メンタルを一定に保つこと』なんて不可能なんです。もちろんよく寝て美味しいものを食べて、というのも大切だと思いますが、一定に保とうと頑張らなくてもOK、というのが私の考えです」。
――今回のツイートが大きな反響を生んでいました
「反響があるのは、実は予想通りでした。『機嫌を気にしないといけない人』が一人いるだけで、周囲の人間にとっては辛いし、チームとしてもパフォーマンスが下がる。そういう誰もが悩ましく思っているであろう事象を、逆のタイプを称賛することで言語化したからです」。
リプライ欄では、「優秀なリーダーは、学歴や男性か女性か、若いか年配か、経験があるかないかよりも、精神的安定した人が一番だと思います」「それは患者にとっても一番大事なことかもしれません」「全く同感です。その時々で機嫌が悪かったり良かったり、それが上司だと本当に疲れます」「正直言って忙しいからといってイライラする先輩とは仕事をしたくない」と多くの働く皆さんの共感を呼んでいました。
とても厳しく苦しい現場で働いていた研修医の時期をふと思い出すと、不思議と今でも尊敬できる先輩といえば、能力が高い人よりむしろ「どんなに忙しくてもテンションが安定している人」だった。
— 外科医けいゆう/山本健人(Takehito Yamamoto) (@keiyou30) August 3, 2020
厳しい現場ほど、「機嫌の良し悪しがなく浮き沈みがない人」がチームの心理的な柱になってくれる。