女優の上野樹里が主演するフジテレビ系月9ドラマ『監察医 朝顔』(秋・冬2クール放送)では、七夕まつりが中止となった岩手県陸前高田市に手作りの山車を寄贈した。

  • 寄贈した山車=フジテレビ提供

東日本大震災を真正面から扱う同ドラマは、第1シーズンから東北でも撮影を敢行。東北では七夕祭りを8月に行う地域が多く、毎年8月7日に陸前高田市で行われている「うごく七夕まつり」「けんか七夕まつり」は、きらびやかな山車が全国的に有名な、東北を代表する七夕祭りだ。

しかし、新型コロナウイルスの影響で「うごく七夕まつり」「けんか七夕まつり」をはじめ、東北各所で予定をしていた七夕祭りは軒並み中止に。ドラマでは、その状況を鑑み、出演者・スタッフからの「来年は、たくさんの笑顔の中、七夕祭りがおこなわれますように―」という思いを込めて、「うごく七夕まつり」「けんか七夕まつり」の代名詞である“山車”のミニチュアの模型を手作り。上部に朝顔の造花をあしらい、周囲に千羽を超す折り鶴をつり下げたオリジナルの山車を、陸前高田市に寄贈した。

陸前高田市は『監察医 朝顔』にとって、また主演の上野にとって、縁が深い場所の1つ。復興へまい進しながら、今なお震災の爪あとが色濃く残る陸前高田市に上野が初めて訪れたのは2012年のことで、震災を後生へ伝えるため、津波が到達した場所に桜を植える「桜ライン3.11」という活動に参加し、紅しだれ桜の苗を植えた。

19年には、上野はドラマのスタッフとともに陸前高田市へ2度目の来訪を果たし、7年ぶりに紅しだれ桜と再開。その後、陸前高田市議会議員で、震災当時は町内の消防団員も務めていた福田利喜さんや、東日本大震災で親類を亡くした遺族会の人たちに会い、当時の生々しく、言葉にできないほど悲痛な体験談を聞きながら、津波が襲ったさまざまな場所や、遺体安置所となった小学校の体育館などを訪れた。

そして、今年3月11日を目前に、上野はドラマスタッフとともに陸前高田市へ1年ぶりに来訪。今回の来訪でも、まずはあの紅しだれ桜を見に行き、さらに前回、被災したさまざまな土地を案内してくれた福田さんとも再会した。

上野たちは、震災遺構にもなっている気仙中学校や、三陸の津波被害の歴史に東日本大震災津波の事実、震災から得た教訓などを展示している東日本大震災津波伝承館を訪れるとともに、陸前高田市内を巡り、遺族の方を含め、多くの住民の方に会い、震災発生から9年たった街の本当の状況を教えてもらうことに。

来訪の最後に、上野は「忘れてはいけないことは、子どもたちにもしっかり伝えていきながら、この街にたくさんの人が訪れて、活気のある陸前高田の風景が近い将来に見られるように、自分も楽しみながら旅をしながら、お手伝いができたらいいなって思います。この街をもっと好きになりたいし、この街で色んな体験をして楽しい思い出をいっぱい作っていきたいですね」と感想を述べていた。

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