テレビ東京の木ドラ25枠で放送中の、『テレビ演劇 サクセス荘2』(毎週木曜25:00~25:30)。都会の片隅にひっそりと佇む一軒のアパート「サクセス荘」を舞台に、芸人、漫画家、占い師、料理人など個性豊かな住人の物語を描く。2019年に「リハは1度だけ」「本番一発勝負」の「テレビ演劇」という新たな形で放送され話題を呼んだことから、2期が放送されることとなった。さらに、毎週地上波放送終了後、動画配信サービス『ひかりTV』にて本編+反省会を配信している。

『サクセス荘2』では、今話題の2.5次元舞台俳優として人気の和田雅成、高橋健介、高木俊、黒羽麻璃央、spi、有澤樟太郎、荒牧慶彦、定本楓馬、玉城裕規、寺山武志、小西詠斗(劇中部屋番号順)の11名が出演。今回は、1期では全回に出演し『サクセス荘』を支えた映画監督志望のチャップ役・定本にインタビューした。

  • 定本楓馬 (提供:テレビ東京)

    定本楓馬 (提供:テレビ東京)

■『サクセス荘』は根性を鍛えられた現場

――『サクセス荘』2期決定について知った時はどんな気持ちでしたか?

またできる、という嬉しい気持ちと共に、結構ハードな撮影なので「始まるのか……」という2つの気持ちがありました(笑)。前回も大変だったんですけど、自分にとって根性を鍛えられた現場だったので、また挑戦ができると思うと嬉しいです。

――周囲からの反響も感じられていたんですか?

もともと、僕の出演する舞台を観ていなかった方に知っていただけるきっかけになりました。『サクセス荘』きっかけで、他の作品を観てくださった方がいたり。ただ、僕は北海道出身で、地元では地上波での放送がなく、なかなか観ていただけなかったんですけど……BSや配信で観てね、と(笑)。全国区を目指して頑張ります。

――2期になって、パワーアップしたなと感じるところはありますか? 新キャストのお二人も入られましたが。

みんな一発撮りというものを経て成長し、結構スムーズにお話が流れるようになったので、見やすくなっていると思います。新メンバーのお二人(spi、小西)も今までなかったキャラですし、セットもパワーアップしてるので、楽しんでいただけると思います。

演歌歌手志望の虎次郎役のspiさんは破天荒な役で、あんなに"男"という感じの人はなかなかいないし、独特な間で面白いです。マジシャン志望のケニー役の小西くんはすごくかわいらしい役で、僕も「かわいい枠」みたいに思われがちなんですが、自分では毒舌枠だと思ってるので、かわいい枠は彼に譲ります(笑)。

――1期では高木さん演じるユッキーへの毒舌キャラが話題で、今回もそのキャラは継続してるということですね。

パワーアップさせようとは思っているんですけど、意外とお話の中で協力し合っているので、仲のいい姿も見ていただけるんじゃないでしょうか。でも、基本は罵ってます!(笑) 前回はアドリブだけど、今回はもう脚本に反映されていました。

――逆に、1期から一緒のメンバーで、パワーアップしているなと思った方はいましたか?

ヒッピさん(寺山)は相変わらず爆発しています。いろいろなことを経験されてますし、すごい余裕を感じます。もう、のびのびとサクセス荘で生活してる。1期の即興ミュージカルが話題になったけど、ああいう感じのヒッピさんがたくさん見られると思います。ゴーちゃん(和田)はたった一人のツッコミ役なので、必然的に比重がすごく多くなってしまってるんですけど、いてくれて助かっています。

――男劇団 青山表参道Xさんのイベントではギターを始められたとおっしゃっていて、第4回(放送済)でも披露するシーンがありましたが、ご自身のやっていたことが反映されたのですか?

「最近ギター始めたって聞いたけど、弾ける?」と言われて、弾けないとは言えないので(笑)「弾けます」と言って、全力でやらせていただきました。撮影に向けてガムシャラに練習したことで、徐々に弾けるようになってきましたね。拙いギターだとは思うんですけど、温かい目で見ていただけたらと思います。

――テレビ東京さんでこういう企画に挑戦されていることについて、改めてどのような印象ですか?

色々な面白い企画があると思うんですけど、『サクセス荘』は、テレビで演劇をするということ自体が挑戦だと思うので、よくぞOKいただいたなと思います。このご時世で、テレビで演劇をさせてもらえることには意味があると思いますし、すごくありがたいです。作品があったからこそ、皆さんに知ってもらえてたんだなということをすごく感じましたし、今もまだ、なかなか舞台を取り巻く状況が厳しい中で、作品を届けられる環境にいることが幸せだと思いました。

――やはり、コロナ禍のなかで色々考えることがあったのでしょうか?

考えましたね。究極まで行くと「テレビってなんだろう」という……テレビを見すぎて、「テレビって何?」というところまで考え、哲学的になっちゃいました。やっぱり、吸収できることは全て吸収したいと思っていたので、映画やドラマやお笑い番組をずっと見ていたら、だんだんテレビから音が出てることが不思議に思えてくる。

――その謎は解消されたんですか…?

それは、スピーカーがあるからということで、納得しました(笑)。

――それはよかったです。では、最後に作品を見ている方にメッセージをいただけたら。

新しいメンバーも増えまして、皆様の期待にお応えできるような作品づくりを心がけてやっています。毎週木曜深夜1時、週のラストの金曜日を前に、最後のパワーチャージができるような作品にできればと頑張っていますので、ぜひ楽しんでいただければと思います。

■定本楓馬
1995年11月23日生まれ、北海道出身。男劇団 青山表参道Xのメンバー。2016年〜2018年に、ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンに不二周助役として出演し、その後様々な作品で活躍する。主な出演作に男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA 〜beyond the time〜』(18年)、『ENDLESS REPEATERS-エンドレスリピーターズ-』(19年)、ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』〜暁の調べ〜、『27-7ORDER』(19年)、『映画刀剣乱舞-継承-』(19年)など。今後の出演予定にミュージカル『刀剣乱舞』〜幕末天狼伝〜(2020年9月~11月)、舞台『FAKE MOTION-卓球の王将-』(2021年春)など。 スタイリング:本多由佳(M) メイク:有村美咲