Samsung Electronicsは8月5日、グローバル向けに新スマートフォン「Galaxy Note20」シリーズを発表しました。恒例のイベントである「Galaxy Unpacked」は(毎年ニューヨークで開催)、新型コロナウイルスの影響で初めてオンライン開催のみとなり、残念ながら現地で実機を体験する機会は得られませんでした。
Galaxy Noteシリーズは、Samsungのフラッグシップスマホの1つで、本体内に収納するSペンを使った手書き入力が特徴です。最新モデルでは、Sペンの性能向上やカメラ機能の強化などが図られました。OSはAndroid 10、SoCはクアルコムのSnapdragon 865+ 5Gです(一部地域ではExynos 990)。
前モデルのNote10では、Note10とNote10+という2モデルでしたが、新モデルではNote20とNote20 Ultraという2モデル。従来のNoteユーザー向けがNote20 Ultraで、よりコンパクトで価格を下げたのがNote20となっています。
Note20は、サイズが75.2×161.6×8.3mm、重さが195gという本体。ディスプレイは6.7インチFHD+のSuper AMOLED Plusを採用。画面サイズはGalaxy S20+と同等で、解像度はFHD+止まりとなっています。
Note20 Ultraのサイズは77.2×164.8×8.1mm、重さは208g。ディスプレイは6.9インチWQHD+のDynamic AMOLED 2Xです。画面サイズはS20 Ultraと同じサイズとなっています。いずれもアスペクト比は21:9で、S20シリーズよりは解像度が抑えめ。その代わり、Note20 Ultraはリフレッシュレートが最大120Hzで、表示中のコンテンツに合わせてレートを自動調整する機能が搭載されています。
進化したSペン
最大の特徴となるSペンはさらに高精度化。ペンの反応を示す遅延が9msまで向上しました。反応を極限まで高めることで、紙とペンの質感により近くなったといいます。ちなみに、アップルのApple Pencilも同等の9msなので、追いついた形です。
SペンはBluetoothで本体と接続して各種機能を提供。ペンを抜いただけでランチャーなどが表示されるエアコマンドは健在です。ペンのボタンとジェスチャーの組み合わせで本体の操作を行うエアアクション機能では、「<」「>」といった記号を描くことで、「戻る」や「最近使ったアプリを表示する」といったジェスチャーが追加されました。これらの新ジェスチャーは、アプリを問わずに利用できるようになったそうです。
ノートアプリの「Samsung Notes」(日本版はGalaxy Notes)が、複数デバイスでのリアルタイム同期に対応しました。手書きメモをしながらの音声録音機能では、手書きメモをタップすると、そのタイミングで録音された音声を呼び出せるなど、より高機能になっています。
ペンを生かしたアプリも充実させ、これまでiOS版のみだったイラスト・漫画制作アプリ「Clip Studio Paint」のAndroid版が、独自アプリストアのGalaxy Storeで配信されます。これはしばらくの間、Galaxy Store限定配信になるそうです。
Note20 Ultraのメインカメラは1億画素!
両モデルともトリプルカメラで、特にNote20 Ultraは1億800万画素センサーを搭載。これにより、ピクセルビニングを用いた高画質化や、超高倍率のデジタルズームを可能にしています。新たに光学5倍の望遠レンズを搭載したほか、レーザーAFセンサーを備えたことで、高速AFを実現しました。
動画撮影機能も強化され、8K映像の撮影に加えて、マニュアルのビデオ撮影モードを備えています。マイクの集音方向を切り替えたりと、充実した機能です。
大画面を生かしたゲーム機能では、ゲーム時のパフォーマンスをコントロールするAIを生かしたGame Boosterや、タッチ操作の反応を高める240Hzのタッチレイテンシー、世界最薄というベイパーチャンバーの冷却システムによる放熱といった工夫が盛り込まれています。
モニターやテレビにスマホを接続してPCライクなUIを大画面で利用する「DeX」機能は、ワイヤレス接続に対応。Miracast対応ディスプレイに出力できます。マルチディスプレイをサポートしているため、テレビにスマホの動画を映しつつ、手元のスマホでメモをしたりSNSをしたり……といった複数の作業を同時に行えます。
グローバルでの発売は8月21日から順次。日本での発売はアナウンスされていませんが、過去の経緯からして発売されることは間違いないでしょう。ただし、下位版のNote20のみで、上位版のNote20 Ultraが発売されない可能性はあります。ぜひ、どちらも日本で発売してほしいものです。