コロナ禍による外出自粛や、数多の有名人のYouTube参入などが影響し、活気溢れる動画市場。今や「テレビよりも、スマホで動画配信サイトを見ている時間の方が長い」という人も少なくありません。

YouTubeをはじめとした動画プラットフォームへの広告出稿量は年々増加しており、動画市場は近年のビジネスシーンで見逃せない存在となっております。そんな中、注目を集めているのが「動画編集」の仕事です。

  • 副業で動画編集をする際のコツとは

動画編集とは、依頼者の要望に沿って撮影した動画をつなぎ合わせ、決められた時間に合わせて1つの映像作品に仕上げる仕事。動画をわかりやすくするためのテロップの差し込みや、雰囲気に合わせて音楽を流す作業、モザイク処理、サムネイル画像の作成などを行います。

さて、注目度の高まっている動画編集を始めるためにはどうすればよいのでしょう? もし、「副業」として動画編集を始めるには? 本稿では、「副業としての動画編集」を成功させるための方法を5つご紹介します。

動画編集を副業で成功させるための5つの方法

手法1:スキルアップ

動画編集を副業にするための第一歩は、「スキルアップ」です。これはなにも、動画編集に限った話ではありませんが。

もちろん、何もスキルがない状態ではそもそも仕事を受けることすらかないません。まずは独学で構いませんので、「テロップ入れ」「BGM・効果音入れ」「サムネイル作成」などの基礎スキルを身に付けることから始めましょう。本を1冊買ってみる、動画編集者のブログを参考にする、YouTubeで実際に講座を見てみる、などいくらでも手法はあります。

まずは、あなたがやりやすい方法で、基礎的なスキルを身に付けましょう。

  • 白紙のノート

    ポートフォリオをつくりましょう

手法2:ポートフォリオを充実させる

基礎的なスキルを身に付けたら、次は「ポートフォリオ」を用意しましょう。ポートフォリオとは、あなたの技術を伝えるための「作品集」のようなもの。仕事をする際、相手に自分のスキルや実績を適切に伝えることはとても重要です。ポートフォリオを充実させることで、自分の価値を相手にわかりやすく伝えられます。

とはいえ、初心者の段階からポートフォリオを充実させることは困難ですから、まずは働きながら「ポートフォリオに載せられるような作品を徐々に増やしていく」ことを目指すのがよいでしょう。

手法3:価格設定を考える

動画編集の仕事を受ける際には、料金設定にも注意しましょう。相場は、自らのスキルによって異なります。たとえば、同じ「10分程度の動画編集」という仕事でも、3,000円の報酬で受ける人もいれば、数万円の報酬で受ける人もいます。

まずは、自らのスキルを理解し、同様のスキルを持った人がおおよそいくらで仕事を受けているのか、といった感覚を身に付けることが重要です。インターネットで相場を調査してみたり、実際に動画編集をしている人に話を聞いてみたりすることで、自身の適切な動画編集価格を提示できるようにしましょう。

手法4:営業をする

最低限のスキルを身に付け、ポートフォリオも揃え、自らの仕事の相場もイメージがついた後には、「どのように仕事を獲得するか」を考えましょう。

仕事の獲得の仕方には、大きく2つあります。1つ目が、個人で企業やクライアントに自らを売り込み直接仕事を受けるパターン、2つ目が、仲介サービスを利用して仕事を受けるパターンです。

特に副業を始めたてのころには、声をかけられる相手も少ないことでしょうから、1つ目のパターンは難しいことでしょう。そこで、まずは、副業を始めたてでも「継続的に仕事を受けやすい」「案件数が多い」といったメリットを享受できる、仲介サービスを利用するパターンで始めるのが現実的でしょう。

ただし、仲介サービスを利用して仕事を獲得する場合、クライアントとの直接契約とは異なり、「価格交渉がしにくい」「システム手数料が余分にかかってしまう」といったデメリットもあります。

クライアントとの直接契約にしろ、仲介サービスを利用するにしろ、どちらの手法にも一長一短があることは理解したうえで、どちらが今の自分にとって都合がよいかを判断しましょう。まずは、仲介サービスを利用して契約を得て、実績を積み、いずれ直接契約を目指す――という流れで進めるのも一つの手でしょう。

  • 「動画編集ができます」と営業をするのも大切です

手法5:動画編集ソフトを選ぶ

編集ソフトは、動画編集をするうえで重要な仕事道具です。

編集ソフトには、無料のものから有料までさまざまなものが存在しており、それによって使い勝手や機能、スペックなどが異なります。ソフトにかけられる予算や、自分のパソコンのスペックと相談したうえで、適切なものを選択しましょう。

もちろん、有料ソフトでできることと無料ソフトでできることは違います。「有料ソフトの方が絶対にいい」「無料ソフトでも十分」といった考え方は、人によって異なります。まずは、最低限必要な機能について理解したうえで、どういったソフトを使うべきなのかを判断しましょう。

副業としての動画編集が難しいと言われる理由

さて、初心者でも始められる副業として注目されている動画編集ですが、簡単に始められる一方で、難しい点も少なからずあります。

次に、動画編集の難しい点について、3つに分けてご紹介します。

  • 動画編集が難しいと言われる理由とは

理由1:編集に時間がかかる

普段動画を見ているだけでは気づきにくいですが、動画編集作業にはかなりの時間を有します。たった5分~10分の動画であっても、編集には数時間以上の時間がかかっていることも少なくありません。作業に慣れていない人が編集するとなると、余計に時間がかかってしまうことでしょう。

もちろん、動画で追加する特殊効果の量が増えれば増えるほど、編集にかかる時間は増えていきます。一方で、特殊効果が必要ない編集であれば、比較的短い時間で編集作業を終えることもできます。

このように、編集に必要な時間はピンキリですが、「副業として、空き時間にささっと働きたい。たった10分程度の動画なら、隙間時間で作れるだろう」程度に考えていたら、予想よりも時間がかかり、納期が守れない……なんてこともありえます。

はじめのうちは、自らの能力や納品期限をしっかりと理解し、作業時間を充分に確保することを意識するようにしましょう。

理由2:初期投資に費用がかかる場合も

  • 初期投資に費用がかかる場合もあります

動画編集を副業とするために必要なものは、パソコンと動画編集ソフト、そして画像編集ソフトです。なぜ「画像編集ソフトも? 」と思われるかもしれませんが、画像編集ソフトはサムネイルの作成や、動画中への画像の差し込みなどで使用するためです。

もしもあなたがパソコンを持っていないとしたら、環境を整えるためにパソコンを購入する必要があります。10万円程度の出費がかかることは覚悟しましょう。もちろん、有料の動画編集ソフトや画像編集ソフトも契約すると、さらにプラスの出費がかかります。

一方、すでに充分なスペックのパソコンを持っている場合には、ソフトをいくつか用意するだけでいいため、それほど初期費用をかけずに始められることでしょう。

理由3:スキルによって仕事量が変わる

自分の持っているスキルによって、受けられる仕事は変わってきます。スキルが高いほど、作れる動画の幅が広いため、受けられる仕事は多くなります。逆に、簡単な処理しかできない場合は、それだけ仕事の幅は狭くなり、収入も少なくなります。

動画編集を副業として成功させる方法のひとつとして「スキルアップ」が必要だと前に述べましたが、スキルが足りないと仕事が少なく、得られる収入も少ないという厳しさがあります。少しずつ経験を積み、自らの市場価値を高めていくことを意識しましょう。

動画編集を副業にするときの注意点

以上、動画編集者として成功する方法や難しさについて述べてきましたが、実際に動画編集者を副業として働く際にはどのようなことに注意すればいよいのでしょうか。

最後に、動画編集を副業にするときに注意すべきポイントについてご紹介します。

  • 動画編集を副業にするときの注意点をまとめてみました

注意点1:メインの仕事とのバランスを考慮

たった5分~10分程度の動画であっても、編集作業には数時間かかります。慣れていけば徐々に短くすることはできますが、はじめのうちはどうしてもかなりの時間を要することでしょう。動画編集に加えて、サムネイルの作成にも時間がかかります。

こういったことを考え、「そもそも、副業で動画編集を請け負うような時間を捻出できるか」を判断しましょう。

注意点2:クライアントとの連絡をしっかりと

動画編集においては、クライアントのやり取りはほとんど「オンライン」で完結すると考えておきましょう。

そのため、情報の伝達不足や誤った伝わり方等には十分に注意しなければなりません。支払いに関することや、動画のイメージについて先方としっかりすり合わせを行い、双方に勘違いがないよう、こまめに連絡を取り合う必要があります。

注意点3:募集要項の確認

募集されている案件には必ず募集要項が記載されています。作成する動画の長さや、どのような動画作成を求められているのか、作成する動画に自分のスキルがマッチしているかということをしっかりと確認しましょう。

背伸びして、自分のスキルでは難しい案件を受けてしまうと、結局は自分の首を絞めることにつながります。無理せず、コツコツと経験を積んでいきましょう。

まとめ

  • 副業で動画編集を始めてみましょう

動画投稿サービスの普及にともない、注目を集めている「動画編集業」。この仕事は、初心者でスキルがないうちは受けられる仕事が少なかったり、単価が低かったりなどしますが、在宅で空いた時間に行えることや、仕事の場所を選ばないといった点で、副業として手を出しやすい職業であることは間違いありません。

動画編集に興味のある方は、これまでに述べてきたポイントを押さえながら、動画編集者としての一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。