東京メトロ日比谷線の新駅、虎ノ門ヒルズ駅が6月6日に開業し、銀座線虎ノ門駅との乗換駅に設定されてから1カ月以上が経過した。虎ノ門ヒルズ駅から虎ノ門駅へ乗り換える際、改札を一度出る必要があり、徒歩での移動に時間を要する。
両駅間の乗換えに関して、東京メトロは桜田通りを歩く地上乗換えと、新設された地下連絡通路を歩いての乗換えを案内している。それぞれの経路でどれくらい時間がかかるか、実際に歩いて確かめることにした。
■虎ノ門ヒルズ駅・虎ノ門駅の地上乗換えは6~8分程度
まずは桜田通りに上がって歩く地上乗換えから調べてみる。虎ノ門ヒルズ駅の2番線ホーム(北千住方面)につながるA2出入口と、1番線ホーム(中目黒方面)の進行方向前寄りにあるA1出入口が桜田通りに面している。どちらも改札はホームの中目黒寄りにあるので、覚えておくと乗換えがスムーズだろう。今回は2番線ホームの改札口からA2出入口に上がった。
A2出入口から地上に出ると、桜田通りを隔てて工事中の区画の奥に虎ノ門ヒルズ森タワーがそびえ立っているのがわかる。銀座線の虎ノ門駅へは、森タワーに向かって左に進んでいく。するとすぐに「虎ノ門二丁目」交差点に差し掛かり、環二通りが斜めに横断しているので、その信号を渡ってさらに直進。進行方向には「末広ビル」の看板があるので、目印にすると良い。
「虎ノ門二丁目」交差点を過ぎると、次は「虎ノ門一丁目」交差点に差し掛かるが、ここでも曲がることなく直進する。進行方向には東京カップ本店、虎ノ門琴平タワー、金刀比羅宮の鳥居が順番に見えてくる。とくに鳥居は虎ノ門琴平ビルの前に立っているので、目印にするにはちょうどよい。
金刀比羅宮鳥居の横を通り過ぎ、みずほ銀行のすぐそばに銀座線虎ノ門駅の2a出入口があるので、この階段を下りれば虎ノ門交差点方面の改札口だ。その名の通り、この地点は「虎ノ門」交差点にあたり、2a出入口は虎ノ門交差点の手前に位置している。なお、エレベーターを使う必要がある場合は、虎ノ門交差点の信号を渡らず左折し、みずほ銀行の裏手にある3番出入口を利用する。
虎ノ門ヒルズ駅の1番線ホームから中目黒寄りの改札を出場し、A1出入口に上がった場合も、同じ経路で乗り換えられる。その際、2a出入口と車道を挟んで向かい側の2b出入口を利用することになる。すぐ横にある虎ノ門郵便局のオレンジ色の看板が目印になるだろう。いずれにせよ、地上に出て虎ノ門ヒルズ駅から虎ノ門駅へ歩いて乗り換えるなら、環二通りを横断することを意識しておくと良いかもしれない。
虎ノ門ヒルズ駅2番線ホームの改札からA2出入口に上がるまで、筆者の足で約45秒かかり、A2出入口前から桜田通りを直進し、虎ノ門駅の2a出入口前まで、信号待ちも含めて約4~5分程度かかることがわかった。ただし、虎ノ門駅も1番線ホーム(渋谷方面)と2番線ホーム(浅草方面)で改札が分かれている。1番線ホームの改札へは、2a出入口の階段を下りて1分程度で済んだが、2番線ホームの改札へは連絡通路を通らなければならず、2a出入口から改札まで2分近くかかった。
これらも踏まえると、日比谷線から銀座線渋谷方面への地上乗換えは約6~7分、日比谷線から銀座線浅草方面への地上乗換えは約7~8分かかると考えられる。走ればこれより早くたどり着けるが、乗換えは時間に十分余裕を持った上で行うことをおすすめしたい。
■地下歩行者通路の乗換えは徒歩で約5分半、注意点も
次に、新設された地下歩行者通路を利用し、乗換え経路を歩いてみた。この通路は、虎ノ門ヒルズ駅1番線ホーム(中目黒方面)にある虎ノ門ヒルズ森タワー方面改札と、虎ノ門駅1番線ホーム(渋谷方面)の西新橋方面改札を結んでいる。地下歩行者通路には虎ノ門ヒルズ森タワー(B1出入口)やビジネスタワー(B3出入口)などへの出入口も設けられているが、基本的に一本道なので迷う心配はない。
虎ノ門ヒルズ駅の虎ノ門ヒルズ森タワー方面改札から、虎ノ門駅1番線ホームの西新橋方面改札まで歩いたところ、筆者の足で約5分半かかった。信号待ちがない分、地上乗換えと比べて1分前後早く行き来できる。虎ノ門ヒルズ駅の森タワー方面改札は1番線ホーム(日比谷線中目黒方面)の北千住寄り、虎ノ門駅の西新橋方面改札は1番線ホーム(銀座線渋谷方面)の浅草寄りにあるので、覚えておくとよい。
注意点として、虎ノ門ヒルズ駅には1・2番線ホームを行き来できる通路が設けられておらず、そのため2番線ホーム(日比谷線北千住方面)は地下歩行者通路に通じていない。中目黒~神谷町間の各駅から日比谷線を利用し、虎ノ門ヒルズ駅で乗り換える場合、一度地上に出る必要があり、地上乗換えのほうが便利と思われる。銀座線渋谷方面と日比谷線中目黒方面の乗換えなら、地下歩行者通路を利用することでスムーズに移動できる。
虎ノ門駅2番線ホーム(銀座線浅草方面)の西新橋方面改札口も、虎ノ門ヒルズ駅への地下歩行者通路に通じていない。ただし、虎ノ門駅ではホームの浅草寄りに連絡通路があるため、浅草方面から中目黒方面へ連絡通路を渡り、1番線ホーム(銀座線渋谷方面)の改札を出場すれば、地上に上がらなくても虎ノ門ヒルズ駅へ乗換えが可能になる。
■日比谷線・銀座線は計4駅で乗換え可能に
日比谷線と銀座線の乗換駅としては、両線が接続する銀座駅・上野駅をはじめ、仲御徒町駅(日比谷線)と上野広小路駅(銀座線)も乗換駅(改札外乗換え)に指定されている。これに虎ノ門ヒルズ駅・虎ノ門駅が加わったことで、計4駅で乗換え可能となった。
今回、筆者が虎ノ門ヒルズ駅で降りた際、駅員に銀座線への乗換え経路を聞く利用者を見かけた。両駅間で乗換え可能になったことは知られているものの、実際の経路をまだ把握しきれていない人も多いのではないかと見受けられる。
実際、慣れないうちは迷うかもしれないが、使いこなせば日常の鉄道利用がスムーズになるはず。その上で、虎ノ門ヒルズ駅・虎ノ門駅を利用する機会があれば、筆者がたどった経路や時間などを参考にしてみてほしい。