テレビ朝日のドキュメンタリー番組『テレメンタリー2020』(毎週日曜4:30~)では、被爆建物の保存・解体をめぐる動きを取材した『揺れる平和都市 ~被服支廠は残るのか~』(広島ホームテレビ制作)を、2日に放送する。
広島市南区にある旧陸軍被服支廠は、現存する最大級の被爆建物。爆心地から約2.7kmの地点にあり、原爆投下後には臨時救護所としても使われた。多くの人が亡くなってく惨状を目撃した「物言わぬ証人」でもある。
昨年12月、広島県は管理する3棟のうち1棟のみを保存する案を示した。その方針表明をきっかけに、被爆者団体や市民らから存続を求める声が上がり、全棟存続か一部解体かの議論になっている。
かつて、同じように解体案があった原爆ドームは存続され、原爆被害の象徴となった。負の遺産を解体しなかったことは英断として評価されている。被爆建物の持つ力を知る広島で、なぜいま解体の議論が起こっているのか。
番組では行政の協議録をひもとくなどして被爆建物保存の難しさを検証。当時を知る被爆者の証言や資料をもとに被服支廠の歴史的価値も確認し、被爆75年の今、あらためて被爆遺構・戦争遺構の意義を考える。