アドビは、国内所在企業の人事担当者500名を対象に行った、「新卒採用で企業が重視するスキル」に関しての調査結果を発表した。
この調査は、新卒採用の現場において、学生の「創造的問題解決能力」がどの程度重視されているかを調査するもので、2018年に引き続き第二回目の実施となる。新型コロナウイルス拡大による影響や、時間の経過による変化などを検証した。
「創造的問題解決能力」は同社が2018年の調査時より定義した問題・課題に対する手法で、「課題発見能力」「課題解決方法の発想力/着想力」「情報分析能力」「デジタルリテラシー(ITツールを使いこなせる能力)」「クリエイティビティ/創造性」「プレゼンテーションスキル」といった6つのスキルにわけて調査を行っている。
新型コロナの影響で新卒採用が減少
今回の調査では、担当者のうち81.2%が「新型コロナウイルスの感染拡大が新卒採用に影響を与えている」と回答。全体の48.2%、就職人気企業では58.6%が、今後採用を減らす予定ということだ。
「オンライン採用」をすでに実施した企業が約6割
活用が広がっている「オンライン採用」は全体の59.6%、就職人気企業では73.7%がすでに実施していた。全体の91.2%が今後も引き続き取り入れる予定であることから、オンライン採用が新卒採用の“ニューノーマル”となりそうだ。
「新卒採用で最も重視するスキル」は2018年と変わらず
新卒採用において特に重要視するスキルとして、最も多くあげられたのは2018年と同様「課題解決方法の発想力/着想力」となった。また「デジタルリテラシー(IT を使いこなせる能力)」の重要度が増している傾向があり、就職人気企業ではそれに加えて「クリエイティビティ/創造性」の重視度が高まっているという特徴がみられた。
クリエイティブ系ツールのスキルにニーズ高まる
会社で必要なデジタルリテラシーの詳細を聞いたところ、就職人気企業では、それ以外の企業と比較してクリエイティブ系ツールのスキルを重視する度合いが高く、アプリやWeb制作が14ポイント差、動画編集12.6ポイント差、写真加工が12.1ポイント差となった。
今の学生に不足していると思うデジタルリテラシーについても、就職人気企業が重視しているスキルには同様の傾向があった。
専門部署以外でも求められるクリエイティブ系ITスキル
近年では、企業の様々な部署でクリエイティブツールが使われるようになってきているという。そのことから、デザインなどの専門部署以外でも、クリエイティブ系のITツールを使いこなす能力が必要だと思うかどうかを聞いたところ、全体の70.6%が必要だと回答した。特に就職人気企業では85.5%と高い傾向となった。
さらに、そのようなスキルが具体的にどのようなシーンで必要とされるかを聞いたところ、動画の作成やプレゼン資料で必要になるという声が最も多く、「リモート営業が増え、動画でわかりやすく伝える工夫が必要になった」という声や、「人事研修でオンライン動画をつくる必要がある」「社内外の説得力のある企画提案やプレゼンに必要」という声などが見られた。
なお、「新卒採用で企業が重視するスキル」の調査詳細は、同社Webサイトからダウンロードできる。