夫婦2人暮らしの我が家の冷蔵庫は、ファミリータイプの少し大きめサイズ。人数が少ないので冷蔵庫の中はいつでも余裕のある配置……だったはずが、最近はコロナ禍でまとめ買いが増え、段々と冷凍室のスペースが足りなくなってきました。「ライフスタイルが変わると必要な冷蔵庫の機能って変わるんだな~」と痛感させられます。

そんななか、日立グローバルライフソリューションズがちょっと気になる新型冷蔵庫のWeb説明会を開催。7月30日発売の567L容量冷蔵庫「KXタイプ(R-KX57N)」です。推定市場価格は430,000円前後(税別)。一番の特徴は、冷凍室や野菜室の位置と容量を切り替えられる「ぴったりセレクト」という機能。新製品では、ぴったりセレクトに野菜を長持ちさせる野菜モードが追加されていました。

  • ぴったりセレクト搭載のKXタイプ。カラーはクリスタルミラー(写真左)とファインシャンパン(写真右)の2色

いつどんなタイミングで生活スタイルが変わるかわからない

ぴったりセレクトは、冷蔵庫下2段の引き出し部分の機能を自分で選べる仕組み。選べる機能は、冷凍、冷蔵、野菜という3つのモードです。これ、機能だけを説明するとどこが便利なのかわかりにくいかもしれませんが、実は思った以上に画期的なのです。

  • 下2段の引き出し庫を、3種類のモードに変更できるのが「ぴったりセレクト」

一番のメリットは使いやすさ。ちょっと前まで冷蔵庫といえば、基本的に一番下の段が野菜室、その上が冷凍スペースになっていました。とはいえ、大きなカボチャや大根、スイカなどは意外と重いものです。そこで近年の冷蔵庫で増えているのが、野菜が取り出しやすい「真ん中野菜室」の存在です。

ところが今度は、冷凍室を頻繁に使う家庭から「冷凍食材を取り出すたびにしゃがむのが面倒!」という不満が出てきます。このように、冷蔵庫は自分のライフスタイルを考えて使いやすい配置のものを選ぶ必要があるのです。

ライフスタイルは日々変化するもの。今は子どものお弁当を作っていて大容量の冷凍室が必要でも、子どもが独立すれば大きな冷凍室は必要なくなるかもしれません。ぴったりセレクトなら、自分のライフスタイルにあわせて上下段を自由に変えられます。我が家のように、「コロナ禍で急に買いだめをするようになった」という家庭の要望にも応えてくれるはずです。

  • 「ぴったりセレクト」は2019年モデルのKX/KWタイプから搭載された機能。日立の調査では、真ん中野菜室、あるいは真ん中冷凍室として利用している家庭が多いそうです

  • 総務省によると、年代が進むにつれて野菜購入量が増え、冷凍食品の購入価格は下がる傾向にあるそう。ライフステージによって必要とする冷蔵庫が変わるのもわかりますね

もうひとつ便利なのが、このぴったりセレクトが「2段とも冷凍室」「2段とも野菜室」といった使い方ができること。KXタイプはぴったりセレクトのほか、メインとなる308Lの冷蔵室と32Lの冷凍室、21Lの製氷室が別で用意されているので、「冷凍室はアイスと氷枕くらいしか入れていない」といった家庭なら、ぴったりセレクトで冷凍室を選ぶ必要はありません。冷凍食品を多く使う世帯なら、2段とも冷凍室にして野菜はメインの冷蔵室に入れるという選択もありますね。

上下段とも冷凍庫にした場合、庫内容量はなんと259Lにもなり、 買い物カゴなら4杯分ほどを保存できるとか! 「コストコでたくさん冷凍食品を買ってしまった」「実家から大量の野菜が送られてきた」といった危機的シチュエーションでも、一時的に冷凍室や野菜室を増やすことができちゃいます。これはかなりの安心感です。

※2021年5月27日訂正:
初出時「買い物カゴなら6杯分ほど」と記載しておりましたが、メーカーからの訂正があり「4杯分」と変更しました。

最近の高機能冷蔵庫なら「野菜長持ち」は基本

非常に便利なぴったりセレクトなのですが、日立の2019年モデルは我が家で購入する冷蔵庫の候補からは外れていました。なぜなら、ぴったりセレクトを搭載した従来モデル冷蔵庫は、プレミアムモデルにもかかわらず野菜室の「野菜を長持ちさせる機能」がパッとしなかったからです。

この数年、主要家電メーカーのプレミアム冷蔵庫には、ほぼ全モデルが野菜長持ち機能を搭載しています。せっかく新しい冷蔵庫を買うなら、納得できる野菜長持ち機能が欲しいもの。そんな声が多かったのか、今回の新製品は「野菜モード」を備えてきました。野菜モードにすると、冷却方法を切り替えて野菜の乾燥を防いでくれます。

  • 一般的な冷蔵庫は、冷風を庫内に吹き付けて庫内を冷やす「直接冷却」方式を採用していますが、風が直接当たった食材は乾燥しやすいというデメリットがあります。そこで、KXタイプは「野菜モード」時に冷風の経路を切り替え。食材保存容器の外側に冷風を当てることで、野菜庫をジワジワと冷やす「間接冷却」方式を採用しました

Web説明会では、一週間保存したほうれん草を比較するデモンストレーションもありましたが、結果は一目瞭然。2019年モデルで保存したほうれん草は水分が抜けて茎が折れ曲がり、葉っぱもシワシワですが、新製品の2020年モデルで保存したほうれん草はしっかり自立して葉にも瑞々しさが残っています。

  • Web説明会では、2019年モデルの「野菜モード」(写真左)と、新製品の「野菜モード」(写真右)で7日間保存したほうれん草

「クイック冷却」も日常的に便利そう!

もうひとつの新機能が「クイック冷却」。メイン冷蔵室の風量を一定時間だけ増やすことで、短時間ですばやく食材を冷やす機能です。

Web説明会では缶ドリンクを20分ほど冷やすデモンストレーションが行われましたが、クイック冷却を使わなかった2019年モデルの冷蔵庫で冷やしたドリンクは約13℃だったのに対し、クイック冷却を使ったドリンクは約5℃まで冷えていました。たとえば、作り立てのお弁当を冷やしたり、調理した食材のあら熱取り、常温のドリンクを急いで冷やしたいときなど、日常的な多くのシチュエーションで使えそうな機能ですね。

  • 2019年モデルの冷蔵庫で冷やしたドリンク(写真左)と、新製品のクイック冷却で冷やしたドリンク(写真右)の温度比較。どちらも約20分冷やしています

KXシリーズは、メインの冷蔵室全体が約2℃という普通よりも少し低いチルド温度で食材を冷やすほか、冷蔵室全体の湿度をアップする「うるおい冷気」にも対応しています。「まるごとチルド」と呼んでいる機能ですが、サラダや乾燥しやすい食材も、少しの間ならラップなしで保存可能です。こういった「日常のちょっとした手間」を省いてくれる機能は本当にうれしいポイントです。

  • ラップなしで保存したサラダ。ちょっとわかりにくいですが、まるごとチルド未搭載の冷蔵庫で保存したサラダは、ニンジンがカピカピ。玉ねぎも一部縮れています

  • 同じようにカステラもラップなしで保存。まるごとチルド未搭載の冷蔵庫で保存したカステラは表面が乾燥して固くなっており、おもりが沈み込まないのがわかります

大型冷蔵庫はなかなか買い替えることがなく、10年以上同じ冷蔵庫を使っているという家庭も多いと思います。そう考えると、生活にあわせて切り替えられるぴったりセレクトのような機能はとても重要ではないでしょうか。冷蔵庫を買い替えるときは、今のライフスタイルだけでなく、将来のことも考えて選んでみてください。