デル テクノロジーズの日本における事業展開を行うデルとEMCジャパンは、従業員数1~99人の「中小企業」におけるテレワークの導入・利用状況に関する調査を実施した。すでに2020年3月に同内容の調査を行っていたが、外出自粛期間を経てどのような状況になっているかを探るため、再度ヒアリングを行ったものとなる。
調査期間は2020年7月3日~7月7日、調査対象は全国の中小企業(1名-99名の企業)の経営者およびIT担当者(業務用PCならびにIT関連機器の購入・導入に関わる)男女1,072名。
4か月で中小企業でのテレワークは伸長
3月と7月の調査を比較したところ、前回の結果と比べ、中小企業におけるテレワーク導入の割合が13%から36%になっており、4か月という短期間で23%増加していた。
また、テレワーク導入後のIT関連機器として、パソコン、ネットワークやセキュリティーへの投資を行っている一方で、業種や従業員数の規模によりテレワークに対する意識の違いや障害があることがより鮮明となった。
また、「導入していないし、検討もしていない」との回答も前回調査では73%だったのに対し、今回は47.2%となり、テレワーク導入への意向が拡大している様子がうかがえた。
業種別では、テレワークの導入が最も進んでいるのは「情報通信業(69.2%)」、続いて「金融・保険業(53.7%)」となった。
一方、「導入しておらず、検討もしてない」と回答した47.2%の業種別の内訳は、「建設業(64.8%)」、「製造業(58.5%)」が上位となり、業種によってテレワークの導入率に大きな差が出た。いわゆる「現場仕事」がある業種では導入が困難という状況が浮かび出た格好だ。
導入しない理由は「業種として難しい」が7割超
テレワークを導入する/導入した理由では、「働き方改革を推進」が全体の約半数の48.8%でトップ。続いて「ワークライフバランスの向上(35.3%)」、「業務生産性の向上(29.2%)」、「オフィスコストの削減(24.7%)」など、オフィスでの勤務に捉われない働き方によるメリットに期待が寄せられた。
一方、テレワークを導入しない理由については、「業種として難しい」が7割を超え、業種によりテレワークの実現が困難である状況が顕著になった。
テレワーク導入に満足する人が8割
テレワークの総合的な満足度では、「満足」と答えた回答者は23%、「やや満足」(55.6%)もあわせると、約8割が勤務先のテレワークについておおむね満足していると言えそうだ。
現在未導入の企業は今後のテレワーク導入にも無関心
導入に対する意向を尋ねたところ、「とても関心がある」、「やや関心がある」との回答は2割程度。「全く関心がない」、「あまり関心がない」が約4割となり、テレワーク導入に関心を示さない回答者が大幅に上回る結果になった。
テレワークをすでに導入している企業36%に加え、「やや関心がある(16%)」、「とても関心がある(5.3%)」を加算すると、全体としてテレワーク導入は増加傾向にある一方で、「全く関心がない(24.7%)」、「あまり関心はない(18%)」と4割以上の回答者がテレワークについて無関心であることがわかった。
また、従業員数が少ないほど、テレワークへの関心度合いが低くなる傾向が見られた。社員数が50人を超えると、それ以下の企業と比べテレワークへの関心が高まる結果となった。
導入予定の企業に、現在想定しているテレワークの導入時期について聞くと、「できる限り早く導入を想定(25%)」、「2020年内に導入を想定(25%)」と、全体の半数が近い将来にテレワークの導入を検討していることが分かった。
「できる限りテレワークを推奨」する企業が最多
外出自粛期間終了後のテレワークの状況について最もあてはまることを聞いたところ、「出社することも可能だが出来る限りテレワークを推奨している(32.1%)」、「通常業務(全員出社)に戻した(28.0%)」、「テレワークの日数を制限してテレワークと出社を併用(23.8%)」と続き、「引き続きテレワークを義務付けている」は14.5%。何らかの形でテレワークを継続している企業が7割を占めていることが判明した。
最も関心が高いのは「データのバックアップ」
テレワーク導入後、どのようなIT関連機器に投資したかについて上位3つを尋ねたところ、「パソコンの手配」を1位に挙げた回答者が最多の19.7%となった。また、「ネットワークやセキュリティーの再設計/構築(19.2%)」、「サーバーやストレージ環境の更新/統合(16.3%)」と続いた。
勤務先でのIT活用に関する関心度合いについて尋ねたところ、最も関心が高かったのは「データのバックアップ/災害対策などBCP(事業継続性)対策」で、「とても関心がある(22.4%)」と「まあまあ関心がある(45.8%)」をあわせて68.2%。続いて「ネットワークセキュリティーの再設計/構築」が62.2%となった。
中小企業におけるテレワークに関する調査の概要
調査対象:全国の中小企業(1名-99名の企業)の経営者およびIT担当者(業務用PCならびにIT関連機器の購入・導入に関わる)の男女1,072名
調査地域:全国
調査方法:インターネットリサーチ
調査時期:2020年7月3日(金)~7月7日(火)