アドビは7月29日、「新卒採用で企業が重視するスキル」に関する調査結果を発表した。調査は6月19日~22日、国内所在企業の20~65歳の人事担当者500名(就職人気企業ランキングの該当企業152名、それ以外の企業348名)を対象にインターネットで行われた。
はじめに、「日本の新卒採用は新型コロナウイルスの影響で変化があると思うか」と尋ねたところ、人事担当者の81.2%が「(大きく)変わると思う」と回答。新卒採用予定人数についてどう変わったかを教えてもらったところ、48.2%が「今後採用を減らす予定である」と回答し、その内訳をみると、就職人気企業では58.6%と半数を超え、その他の企業では43.7%だった。
次に、新卒採用において特に重要視するスキルを聞いたところ、2018年の前回調査と同様「課題解決⽅法の発想力/着想力」(2020年81.6%、2018年81.5%)、「課題発見能力」(同70.8%、72.2%)、「情報分析力」(同48.0%、55.6%)が上位に。
また、「デジタルリテラシー(ITを使いこなせる能力)」以外のスキルは、前回調査とほぼ同等あるいは減少しているのに対し、「デジタルリテラシー」だけは明らかに増加傾向(3.7pt増)に。特に、就職人気企業では30.9%と高い割合を示した。
続いて、以前よりも重要度が上がったと思うスキルを聞くと、やはり「デジタルリテラシー」(31.2%)が前回調査(24.6%)から6.6pt増加。特に、就職人気企業の割合が38.8%と高く、それ以外の企業(27.9%)を10.9pt上回った。また、「クリエイティビティ/創造性」に関しても、それ以外の企業(25.6%)を就職人気企業(40.1%)が14.5ptも上回る結果に。
多くの企業でデジタルリテラシーの必要度が増していることがわかったが、具体的にどんなデジタルリテラシーが必要とされているのか、詳細を聞いたところ、「表計算や文書作成、プレゼンなどの基本的なオフィスソフトが使えること」(66.8%)が圧倒的に高く、次いで「イラスト制作や加工」(23.6%)、「写真加工」(23.8%)と続き、その割合は、全体的に就職人気企業で重視する度合いが高い傾向が見てとれた。
最後に、デザインなどの専門部署以外でも、クリエイティブ系のITツールを使いこなす能力が必要だと思うかどうかを聞いたところ、全体の70.6%が「必要」と回答。特に就職人気企業では85.5%と⾼かった。また、このようなスキルが具体的にどのようなシーンで必要とされるかを聞くと、「動画の作成やプレゼン資料」で必要になるという声が最も多く、「リモート営業が増え、動画でわかりやすく伝える工夫が必要になった」、「人事研修でオンライン動画をつくる必要がある」、「社内外の説得力のある企画提案やプレゼンに必要」といった声が寄せられた。