デル テクノロジーズが7月29日に発表した、中小企業のテレワーク導入状況に関する調査結果によると、2020年7月の時点でテレワークを導入している企業は2020年3月の13%から36%に増加し、その約8割が満足しているといい、IT関連事項の関心度合いでは、「テレワーク環境の整備」を抑えて「データのバックアップ/災害対策などBCP(事業継続性)対策」が最多だった。
同調査は、デル テクノロジーズの日本における事業を展開するデルとEMCジャパンが7月3日から7月7日にかけて、全国の中小企業(100人未満の企業)の経営者及びIT担当者(業務用PC及びIT関連機器の購入・導入に関わっている人)の男女1072人を対象にインターネット経由で実施したもの。
勤務先でテレワークを導入しているか尋ねたところ、36%が導入していると回答した。3月の調査では、導入していると答えた回答者は13%だったのに対して23ポイント上昇している。
また、「導入していないし、検討もしていない」との回答は前回の73%から47.2%へ減少し、テレワーク導入への意向が拡大している様子がうかがえるという。
業種別でテレワークの導入が最も進んでいるのは情報通信業(69.2%)であり、金融・保険業(53.7%)が続く。
一方、「導入しておらず、検討もしてない」という回答者を業種別に見ると、建設業(64.8%)と製造業(58.5%)が上位となり、業種によってテレワークの導入率に大きな差が出ている。
テレワークを導入する/導入した理由では、「働き方改革の推進」が全体の48.8%でトップで、以下、「ワークライフバランスの向上」(35.3%)、「業務生産性の向上」(29.2%)、「オフィスコストの削減」(24.7%)など、オフィスでの勤務に捉われない働き方によるメリットへの期待が続く。
一方、テレワークを導入しない理由では「業種として難しい」が7割を超え、業種によりテレワークの実現が困難な状況が顕著になったという。
勤務先で導入しているテレワークの満足度を見ると、23.1%が満足、55.6%がやや満足と回答。
一方で、不満またはやや不満という回答者は全体の2割程度にとどまり、テレワークへの満足度は高い傾向が見受けられる。
全体としてテレワーク導入が増加傾向にある一方で、「全く関心がない」(24.7%)、「あまり関心はない」(18%)と、4割以上の回答者がテレワークについて無関心だった。 従業員数別では、従業員数が少ないほどテレワークへの関心度合いが低くなる傾向が見られる。
外出自粛期間終了後のテレワークの状況について最もあてはまることを聞くと、「出社することも可能だが出来る限りテレワークを推奨している」(32.1%)、「通常業務(全員出社)に戻した」(28.0%)、「テレワークの日数を制限してテレワークと出社を併用」(23.8%)と続き、「引き続きテレワークを義務付けている」は14.5%だった。 何らかの形でテレワークを継続している企業が7割を占めている。
テレワーク導入後にどのようなIT関連機器に投資したかについて上位3点を尋ねたところ、「パソコンの手配」を1位に挙げた回答者が最多の19.7%だった。 以下、「ネットワークやセキュリティの再設計/構築」(19.2%)、「サーバやストレージ環境の更新/統合」(16.3%)が続く。
勤務先でのIT利用に関する関心度合いについて尋ねると、最も関心が高かったのは「データのバックアップ/災害対策などBCP(事業継続性)対策」であり、「とても関心がある」(22.4%)と「まあまあ関心がある」(45.8%)の合計で68.2%だった。続いて、「ネットワークセキュリティーの再設計/構築」が62.2%となった。