アドビは7月28日、山下清作品管理事務局の協力のもと、山下清氏作の貼り絵「長岡の花火」を塗り絵用線画として、無料配布を開始した。
この企画は、新型コロナウイルスの影響により、全国で開催されるはずであった多くの花火大会が中止となり、夏の日本の風物詩である花火を夜空に見ることができなくなったことを受けて行われたもの。
同社のスケッチ&ペイントアプリ「Adobe Fresco」で塗り絵を楽しんでもらうことを想定しているが、PSDファイルのほか、JPGファイルとPNGファイルで提供しているため、手持ちのアプリで塗り絵を楽しむことも可能になっている。
山下清氏は、北海道から沖縄まで良質な花火を求めて旅をした花火愛好家としても知られる。アドビは、「多くの方に、この塗り絵に色をつけてソーシャルメディアに投稿、共有していただくことで、日本が困難な時期を乗り越える希望と勇気になることを願っています」とコメントしている。
今回の塗り絵用線画を配布するにあたり協力した山下清作品管理事務局の山下浩氏は、「放浪画家と言われた山下清ですが、実際の放浪ではほとんど絵を描いていません。旅先で見た風物を自分の脳裏に鮮明に焼きつけ、東京に帰ってから自分の記憶によるイメージを描いていたのです。その代表作が『長岡の花火』です。山下清は一瞬の輝きで消えてしまう花火を脳裏に焼き付け、それを自分のフィルターを通した画像として作品として仕上げていたのです。皆様も自分のイメージによる花火を描いて楽しんでいただきたいと思っています」とコメントを寄せた。