女優の桜庭ななみが、8月1日にスタートする東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『13(サーティーン)』(毎週土曜23:40~)の魅力や、役への向き合い方などを語った。
桜庭演じる主人公・相川百合亜は、13歳で誘拐され、13年後に突然家族の元に帰ってきた、美しくはかなげで不思議な魅力を持つ女性。彼女が突然家に戻ってきたとき、止まっていた歯車が動き出す…。
――相川百合亜役の印象、演じる上での大変さはありましたか?
サスペンス作品の経験があまりなかった私にとって、今回の役は新たな挑戦でした。百合亜という女性は、心の奥底では何を考えているのかわからないところが魅力的でもあり、不思議な魅力を持っています。人とは違う環境の中で思春期を過ごしているので、心は13歳で止まっているような感じがして、感じたことを表現するのが難しかったです。
見てくださる方には「百合亜は何を考えているのだろう? どういうことを思っているのだろう? 何を隠しているのだろう?」と想像していただきたくて、いつもより表情をつけずに、心の中でお芝居をしている感覚が強かったです。
共演者の皆さんとも仲良くさせていただき、現場はとても楽しかったです。ただ、内容はとてもシリアスなので、現場の皆さんとは「毎シーンが、クライマックス!」と言っていました(笑)
――この作品は英・BBC人気作品のリメイク版ですが、主演を演じる上で刺激を受けたことや、参考にされたことはありますか?
BBCの作品は主役のアイビーがとにかく魅力的でした。最後まで答えがわからないような彼女の表情や動き、言葉の運び方もとても素敵で、自然に物語に引き込まれていきました。日本版は“家族”をメインにしているところが原作とは異なりますが、違った角度で作品の魅力が出せるといいと思います。
――台本を読んだ感想を教えてください。
今回の台本は主人公の百合亜が13歳で誘拐され、13年後に家族の元に帰ってきたところから物語が始まります。連れ去られていたときのことではなく、26歳になった百合亜を取り巻く家族の心境や13年の間で変わってしまった周囲の環境に戸惑う心情を丁寧に描いていて面白かったです。
――百合亜で最も意識したところはどんなところですか?
相手によって話し方を変えたりしました。犯人の一樹(藤森慎吾)を信じ込ませたり、寄り添うときには本気っぽい話し方にしたり、逆に家族といるときには13歳の少女のような話し方にしたり。百合亜の本心を探りながら観ていただけるとうれしいですね。
――黒川一樹役、藤森慎吾さんの印象を教えていただけますか?
とても優しくて面白くてお話しやすい方でした。藤森さんの今回の役はとても怖い一面を持っていて、普段のイメージの藤森さんとのギャップが見どころだと思います。メガネをかけていない藤森さんは新鮮でした。最初監督から「犯人とはあまり仲良くならないで。撮影が終わってから楽しく話して」と言われていたけど、ついつい楽しく話してしまいそうになるくらい面白い方でした。
――百合亜は13歳で誘拐されますが、桜庭さんが13歳の頃はどんな女の子でしたか? その時の経験が今回の役作りに生かされていることがありましたか?
中学1~2年の頃は軟式テニス部に所属していました。朝7時から朝練して、放課後も練習して、真っ黒に日焼けした活発な女の子でした。今回、百合亜は監禁された13歳の気持ちのまま現在を過ごしているので、自分の13歳のころを思い出しながら演じました。
――もしご自身が女優として活動していた13年間が奪われてしまったら、と考えましたか?
はい、とても想像しながら演じました。自分の人生の13年間がなくなったらどうなるのだろうと考えたら、百合亜が本当にかわいそうとしか言えません。
――ちなみに桜庭さんは中国語、韓国語が堪能で、現場でも中国語を話していらっしゃる姿をお見かけしました。どのようなきっかけで始められましたか?
アジア映画がとても好きで、作品をちゃんと理解したいという理由で勉強を始めたのがきっかけです。中国語は2014年の秋頃から始めて6年ほどになりますが、まだまだです、頑張るしかないですね(笑)
――どのように勉強をされているのですか?
私のマネージャーさんが中国の方で、普段、中国語で日常会話を話すことが多いです。本などの言葉ではなく、会話の言葉で勉強をしたり、テレビのバラエティ番組を一緒に観たりして、生の反応に触れるのも勉強になると思っています。将来、アジアの作品に参加できるようにこれからも自分を磨いていきたいです。
――最後に、視聴者へのメッセージをお願いたします。
百合亜はとても魅力的な女性です。ただ、連れ去られてから13年経った百合亜に対して家族や友人はどういう風に受け入れていいのかわからなくて、百合亜自身も心が揺れ動いている。それぞれの心情の中でどのようにストーリーが進んでいくのか? 観ていて吸い込まれていくような目を離せないサスペンス作品に仕上がっているとうれしいです。