秋〜冬に登場する予定のWindows 10 20H2は、これまでの開発経緯から安定性や品質の改善にフォーカスしたアップデートになると見られていたが、Microsoftは機能面やデザイン面のアップデートにも力を入れる模様だ。

同社は7月24日 (現地時間)、Windows InsiderプログラムのBetaチャネルで、Windows 10 20H2向けのWindows 10 Insider Preview Build 19042.421の提供を開始した。Startメニューの新デザイン、新規セットアップ時のタスクバーのパーソナライズなど、7月上旬にリリースしたDevチャネルのビルドでテストし始めたばかりのユーザーインターフェイスや新機能を含む。Devチャネルは特定のWindows 10リリースとは関係なく初期の機能やアイディアを積極的にテストしてフィードバックを収集する場だが、Betaチャネルは将来のWindows 10リリース向けのプレビューを提供する。このタイミングでBetaチャネルに移すということは、20H2への搭載を目指すことを意味する。

そのためビルド19042.421について、Mary Jo Foley氏など、一部のジャーナリストがWindows 10Xのリリース計画の見直しに伴う変更の可能性を指摘している。Microsoftは昨年秋に2画面デバイス「Surface Neo」を発表し、今年のホリデーシーズンの発売を目指していたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2021年以降に延期し、Windows 10Xも1画面デバイスからの展開に変更した。そのため、今年のホリデーシーズンはWindows 10で勝負することになる。

  • Startのデザインを変更

    現在の正式版のStart画面(左)とビルド19042.421の新デザイン(右)

ビルド19042.421の変更点は、Startメニューの新デザイン、[ALT]+[TAB]キーのMicrosoft Edgeタブのサポート、Edgeのピン留め機能の改善、新規セットアップ時のタスクバーのパーソナライズ、通知バナーの改善など。

Startメニューの新デザインは、ダーク・テーマとライト・テーマの両方で同じように見栄えが良くなるように、アプリのタイルの背景色をソリッドカラーからStartメニューにとけ込むような色に変更した。

Edgeはタブ操作が強化されている。Edgeで複数のタブを開いている際に、[ALT]+[TAB]キーによるタスク切り替えを使って任意のタブに切り替え可能。また、タスクバーにピン留めしたWebサイトは、タスクバーのアイコンをクリックして、そのサイトの開いているタブの一覧にアクセスできる。

  • Webサイトのタスクバーへのピン留めがより便利に

    ピン留めしたアプリの開いているウインドウの一覧にタスクバーからアクセスできるのと同じように、Edgeでピン留めしたサイトも開いているタブの一覧にアクセス可能

新規セットアップ時のタスクバーのパーソナライズは、ユーザーのニーズに合わせたタスクバーを構成して新しいPC環境にスムースに入っていくのを支援する。例えば、Androidスマートフォンとリンクさせたユーザーには「スマホ同期」アプリを最初からタスクバーにピン留めしておく。

通知バナーは、ユーザーの生産性を引き下げる不要な通知を避け、効果的に通知を活用できるように機能やデフォルト設定などを変更した。