コロナの流行で職を失ったり収入が少なくなったりした方は少なくありません。また第2波以降の可能性も言われ、まだまだ予断を許さない状況です。そんなwithコロナ時代に向けて、今すぐできる備えのひとつに「節約」があります。
これまでも節約は関心の高いテーマでしたが、コロナを経験して、今までとは違った観点で節約し、生活スタイルを変えなければならないと感じている方が多いようです。本稿では、Withコロナ時代に向け、どのように生活スタイルを変えて節約につなげればよいか考えてみましょう。
自分が「何をしたいのか」把握しよう
節約するために今までの生活を見直すだけだと、苦しいばかりで成果もあげにくいものです。見直しとは、削減ではなく、新しい生活スタイルの「創造」でなければなりません。節約して今より豊かで楽しい暮らしがどのようなものかを考えて、作り上げていくことがポイントなのです。
そのために、コロナの流行で何が問題だったか、何が苦しかったかをヒントに新しい生活スタイルを考えてみるとよいでしょう。友人と会食できない、旅行に行けない、飲み会やライブ、観劇、レジャー施設などを利用できない……など、書き上げてみてください。それをヒントに一つひとつどう新しい生活スタイルに転換すればよいかを検証していけば良いのです。
ファイナンシャルプランニングでは、「何をしたいか(=夢)」が何よりも大切で、それを実現する上で障害となるものを把握し、夢の実現に向けて対処方法を考えます。下図は、コロナ禍で考えた"したいこと"、つまり"夢"を書いたものです。
みなさんも一度、思いつくままに書き上げていってみてください。何がしたいかでもよいですし、その裏返しの現状への不満でもよいです。あまり書き込めなくても、壁にでも貼って、時間をおいて浮かんだ際に追加していきましょう。書き込めば書き込むほど、自分自身がクリアに浮かび上がってきます。そこから楽しい節約のヒントを見いだせるはずです。
withコロナ時代の5つの節約ポイント
自分が何をしたいかが明らかになったら、次は行動です。今回は、よく聞くコロナ禍で生じた不満と、夢について、「withコロナ時代の節約」をテーマに、対策を5つご紹介します。
1.食生活から非日常を体験しよう
家にいる時間が長くなれば、当然自炊をする機会も増えます。自分自身においしいものを食べさせられるスキルは、男女を問わず、どの時代にも本当は大切なことです。料理の腕を磨くだけでなく、たまにはベランダや庭で食事をしたり、おいしい弁当を作って公園でピクニックをしてみたりしてはいかがでしょうか。
外食や総菜を買うよりもかなりの節約になりますし、非日常の体験を求めて、食生活を工夫することは、心の豊かさへもつながりますよ。
2.密にならないレジャーをきっかけに
県をまたいでの外出は自粛しつつ、自粛要請が解除されている地域では、近場でマイカーやレンタカーで貸し別荘に滞在したり、キャンプ用具を積んでキャンプをしたりしてはいかがでしょうか。密にならないよう、整備されているキャンプ場などを利用するのもひとつです。
毎年夏に行っていた旅行の旅館や交通費を考えれば安くつくはずです。何も高いキャンプ用具をそろえる必要はありません。夏であれば、安いテントでも大丈夫でしょう。体力があれば自転車で近県への移動も考え、可能な範囲でレジャー費の節約を考えましょう。
3.リモート飲みは積極性が大切
私もリモートで飲み会や友人との会話を楽しんでいます。友人との歓談はそれだけで楽しいもので、リモートによるマイナス点はさほど感じませんし、通常の飲み会よりも格段に節約できます。
リモート飲みのポイントはTPOを整えることです。同僚相手であれば、いつものそれに近い服装で臨んだり、ちょっとおしゃれをする相手であれば同様に考えたりします。飲み会にはおいしいツマミも欠かせませんので、そこは手を抜きません。吟味したお酒や手作り惣菜のうんちくは盛り上がります。買ってきた惣菜であってもパックのままでは台無しです。きちんと器も吟味しましょう。
リモート飲み会が楽しくないとしたら、準備が不足しているからです。全てを飲食店などに頼ることから脱却するにはそれなりの工夫も必要なのです。
4.モノに依存する生活スタイルを見直そう
コロナが流行しだしたころ、野菜などの食品が一時不足しました。家にいる時間が増え、毎日の食材が買えないと大変とばかりに買いだめに走ったようです。とはいえ野菜はそう買いだめできるものでもありませんでしたので、すぐに品薄は解消されました。この時印象的だったのが、同じマンションに住む熟年世代達が「お米のストックがあるから何とかなる」と、まったく問題にしていなかったことです。
つまり、どの家庭でもストックしているお米と缶詰と乾物類くらいはあるので、多少何かが不足しても慌てる必要はなく、貧しい時代を知っている年代層は、なければ無いでOKといつでも気軽に何もない時代に思考がワープできるのです。
一方、若い世代は何もない時代をイメージできないのでモノがないことが大きなストレスになります。コロナの第2波に若い世代の感染者が多いことは、現代にあふれているモノやサービスに大きく依存していることを意味しているように思います。
5.居住地はリスクを熟知して考える
都会ではいろいろなサービスや施設が溢れ、便利に生活できます。しかし今回のコロナでもわかるようにそれはリスクでもあります。特に第2波の感染者は東京に集中しています。また、必ず来ると言われている大震災が都会で起きれば、多くの方が亡くなるでしょう。
便利ではないかもしれないけれど、田舎生活の健全さも取り入れて考えていかなければならないと思います。それはサービス(飲食店、娯楽施設、イベント等)に頼る頻度を少なくし、マイホームや自然を相手に非日常を楽しむ方法を見出すことです。
リモートワークもこれから一層の広がりを見せると思いますし、働き方によっては都会に住む必要もありません。私もコロナがなければ2地域居住生活を再開する予定でした。田舎での生活は、庭の畑の野菜を食べ、買い物もさほど必要としません。緑を眺め、鳥の声に耳を傾けていれば、大好きな居酒屋にも行きたいとも思わないのが不思議です。
自分だけで全うできる人生設計を
人生何があるかわかりません。だからこそ日頃から節約し、万一に備えるのです。どこに住むか、どのくらい貯金が必要か、現在の仕事のスキルアップや副業など、時代が変化しても生き残るための人生設計が大切です。その際、何かをあてにするのではなく、自分だけでできる範囲内の設計を考えましょう
人生設計をしっかり立てられれば、現在の問題点や将来起きそうな問題も明確になり、それに対する備えの必要性が節約の原動力となるはずです。withコロナ時代では、密に頼る生活スタイルを見直し、かつそれが節約につながる方法を見つけることが大切なのです。