箱根登山鉄道の箱根湯本~強羅間が7月23日の始発から運転を再開した。同区間は昨年10月の「令和元年東日本台風」(台風19号)で甚大な被害が発生したため、長期間にわたり列車の運転を見合わせていた。

  • 箱根湯本~強羅間の登山電車が運転再開

  • 箱根湯本駅からの始発列車は、同駅5時50分発の強羅行

箱根湯本駅では小雨の降る中、同駅5時50分発の始発列車(強羅行)に約30名が乗車した。乗客の1人、小田原に住む男性は、「出勤前に運転再開が気になり、乗りに来た」と話す。「一番電車に乗るために箱根湯本のホテルに泊まり、家族4人で乗りに来た」という観光客は、「3月に箱根に来た際、復旧したら乗ろうねと話していたので、今日のこの日をすごく楽しみにしていた」とコメントした。発車直前、「いよいよ動くね」といった会話が聞こえてくるなど、和やかで明るい雰囲気だったという。

彫刻の森~強羅間にある「季の湯 雪月花」の駐車場では、箱根DMO(箱根町観光協会)の呼びかけで地元の人々が集まり、横断幕を掲げて登山電車を歓迎していた。箱根湯本~強羅間は駅・信号場など3カ所でスイッチバックを行いつつ、急勾配を走る山岳鉄道として知られる。同区間の運転再開により、「箱根ゴールデンコース」と呼ばれる箱根観光周遊ルートが全面復旧となった。