テレワークなんて無理! と私が限界を感じたのは、在宅勤務が始まって1週間もしない頃だった。ぬくぬくと実家暮らしの24歳。家で仕事ができてラッキーなんて考えは甘かった。
ひとつ屋根の下、大人3人がテレワーク
実家は4人家族で、会社勤めは父と私と妹。新型コロナの影響で、3人がほぼ同時にテレワークに突入した。在宅だと決まった瞬間に始まったのは家の中での仕事スペースの確保だ。そもそも狭い借家、大人3人が仕事をする環境にはほど遠かった。家族内バトルの末、私と父が縦40㎝ほど、横は2mもない備え付けのダイニングテーブルで仕事をすることになった。家の中で密である。
大人が集まったテレワーク、一番の問題はうるさいということだった。朝から晩まで誰かと電話かテレビ会議をしている父。別部屋となったが、作業のためにドスンドスンと足音を響かせる妹。なぜかテレビ会議の時間帯が被ることが多く、同時に通話をしているとイヤホンをしていても、どうしても家族の声がうるさくなってしまう。ここにパートが休みの母の掃除やテレビの音が加わると、とても騒がしく雑音のオンパレードだ。
テレワークを進めていると新たな問題も生まれた。Wi-Fi問題である。回線が混雑するとまったく使いものにならず、電子レンジを使うと落ちる。パソコンを使う上でネット回線が遅いのはかなりのストレスで、テレビ会議のたびに電子レンジを使うな、動画を再生して回線を使うなと取り決めを作るほどだった。
子供がいる家庭はテレワークが大変だよなんて話は聞いていたが、大人がいっぱいいてもテレワークはそれなりにストレスが溜まる。家族だからこそ、容赦なく言い合いになり、プチ喧嘩が勃発するのだ。今風にいえば「ぴえん」。ちょっぴり泣きたくなる気持ちになった。
そんな中、テレワーク専用の部屋に住んでみない? と先輩に声をかけられた。賃貸サービスの「OYO LIFE」がテレワーク専用の部屋を貸し出しているらしい。さっそく、宿泊をしてみることにした。
テレワーク専用部屋って何?
テレワーク専用の部屋は「OYO Work Life Room」といい、賃貸サービスを提供する「OYO LIFE」と家具・インテリア・家電のサブスクリプションサービス「CLAS」がコラボしたコンセプトルームだという。
ネットでサイトを見てみると、部屋には家具家電が備え付けられ、スタイリッシュでおしゃれな雰囲気。ここに決めたと思ったらそのままオンライン上で入居手続きができ、メールで届いた契約書に沿って入力をするだけで完了した。サクッと終わってしまってこれで本当に住めるか心配になるほどに簡単だった。
OYO LIFEの魅力は、敷金礼金や仲介手数料なし、水道や電気の手続きをすることなくそのまま入居できるというところ。そして、オンラインで簡単に手続きができるという点だ。家探しや内見、公共料金の登録など、引っ越し準備の手間がなく、家具家電も付いているので簡単な荷造りで引っ越せてしまうのが最高だと思った。
今回利用した部屋の価格は14万3,000円。滞在期間によって価格が変わるそうだ。一人暮らしには高い気もするが、家具や家電付きで水道光熱費やWi-Fi代込み。ゼロから引っ越しすると家具の購入やら敷金礼金やらで何十万とかかるため、短期滞在ならありだと思えた。