ASUS JAPANは7月22日、ゲーミングノートの新モデル「ROG STRIX SCAR 15」を発表した。リフレッシュレート300Hzの超高速液晶とGeForce RTX 2070 SUPERを備えるハイパワーな仕様。表示品質も高く、クリエイティブ用途にも向く本機のレビューをさっそくお届けしたい。

  • ASUSTeK「ROG STRIX SCAR 15」。実売価格は税別272,545円から

    ASUSTeK「ROG STRIX SCAR 15」。実売価格は税別272,545円から

BMWデザインや300Hz液晶、見所だらけのゲーミングノート

ROG STRIX SCAR 15は15.6型の液晶ディスプレイを備えるゲーミングノートだ。BMW Designworksとコラボレーションしたスタイリッシュなデザインが目を引くが、最大の魅力はそのスペックにある。まず注目したいのはディスプレイだ。解像度こそフルHDと一般的だが、リフレッシュレートはノートPCとしては最高クラスの300Hz、応答速度も3msと“超高速”と言える仕様。実になめらかな描画が可能となっている。

<動画> 300Hz液晶でどういった違いが出るのか、動画を撮影してみた。動画は480fpsで撮影したものをスローモーション再生したもの。300fps(リフレッシュレート300Hz)だとコマ数が増えて、滑らかな描画になっているのが分かる。これがゲームだと敵の動きの認識のしやすさにつながる

また、発色と視野角に優れるIPSパネルを採用し、sRGB色域を100%カバーと高い色の再現性を実現。クリエイティブ用途にも使えるクオリティを持っている。ノングレア処理なので画面に自分が映り込むこともない。

  • 15.6型フルHDの液晶を搭載。IPSパネルなので色鮮やかで視野角も広い

試用機のCPUは、ノートPC向けのIntel第10世代Coreプロセッサで最上位となる「Core i9-10980HK」を搭載。8コア16スレッドで動作クロックは最大5.3GHzと非常に高い。マルチスレッドの処理も動作クロックの高さが影響する処理のどちらにも強いと言える。メモリはDDR4-3200とこちらも高いクロック。容量も16GBと十分だ。さらに、ストレージはNVMe SSDを採用するだけではなく、1TBを2枚搭載し、RAID 0を構築済み。大容量と高速なデータ転送速度、両方の環境を備えている。

ゲーミングノートとって心臓部と言えるGPUには、GeForce RTX 2070 SUPERを搭載。アッパーミドルに位置するもので、ビデオメモリはGDDR6が8GB,ブーストクロックは1,380MHzとなっており、ノートPC向けのGeForce RTX 2070 SUPERの定格動作となっていた。

  • 試用機ではCPUに第10世代Coreプロセッサで8コア16スレッドの「Core i9-10980HK」を搭載。ラインナップにはi7-10875HK搭載モデルもある

  • GPUはノートPC向けのGeForce RTX 2070 SUPERが採用されている

無線はIEEE802.11ax、いわゆるWi-Fi 6に対応。Bluetooth 5.0もサポート。ギガビットイーサも備えている。

サイズはW360×D275×H21~24.9mm、重量は約2.35kg。バッテリー駆動時間は公称で約8時間(JEITA測定法2.0)とゲーミングノートとしては十分長い駆動時間だ。高い性能を備えているだけに、ACアダプタはかなり大きい。

  • ACアダプタは大きめ

インタフェースは左側面にUSB 3.0×3、ヘッドセット端子を用意。背面にHDMI出力、USB 3.1 Gen 2のType-Cポート、ギガビットイーサが搭載されている。右側面には後述するキーストーンⅡ用のポートがあるだけだ。

  • 本体背面。右から電源コネクタ、Type-C(USB 3.1 Gen 2)、HDMI出力、ギガビットイーサ

  • 本体左側面。右からヘッドセット端子、USB 3.0×3

  • 本体右側面。キーストーンII用のポートがあるだけ

次に入力インタフェースをチェックしよう。キーボードは英語配列。詳しいスペックは公表されていないが、実測でキーピッチは約19mmと十分なサイズ。キーストロークもノートPCとしては深めと感じた。上部には音量調整やマイクのオン/オフといったゲームのプレイに便利なショートカットキーが用意されている。

タッチパッドは左右のクリックボタンが用意されたごく一般的なものに見えるが、右上にある「NUM LK」ボタンを押すと、タッチパッドにテンキーが浮かび上がる。数字入力をしたい場合には役立つ機能だ。

  • キーボードは英語配列。キーの配列や大きさにクセはなく使いやすい

  • キーピッチは実測で約19mm

  • 上部には音量調整やマイクのオン/オフを切り替えられるショートカットキーがある

  • タッチパッドは一見普通に見えるが右上のボタンを押すとテンキーに切り替わる

ゲーミングノートらしくLEDも凝っている。キーボードだけではなく、底面の周囲にもLEDが内蔵されており、暗い場所ではPCが浮かび上がっているように見える。LANパーティなど大人数が集まってプレイするような機会があれば、個性的なPCを演出できる。

  • キーボードと底面に発光のコントロールが可能なLEDが内蔵されている

また、ユニークなのがキーストーンIIだ。これはUSBメモリのようなキーを抜き挿しすることで、特定のアクションを実行できる。キーを抜くと、すべてのアプリを隠すステルスモード(ゲームをプレイしているときに上司や親が近づいたときにそれを隠す機能)を実行したり、Windowsからログアウトしてセキュリティを高めたり、キーを挿すことで特定のゲームやアプリを起動させたりといった動作も割り当てられる。

  • キーの抜き挿しに特定のアクションを設定できるキーストーンII