日本テレビ系ドキュメンタリー番組『NNNドキュメント’20』(25:25~)では、治療の余地がない人たちに寄り添う訪問看護師を追った『野犬と飼い犬~殺処分ゼロの裏側で~』(テレビ金沢制作)を、きょう19日に放送する。
ペットブームが続き、いまや家族のような存在となった犬や猫。その一方で人間に疎まれ生きる犬がいる――石川県は昨年度、初めて犬の殺処分ゼロを達成した。一方で、奥能登地区では毎年、野犬が捕獲されている。群れをなして街や山、畑をうろつく野犬は時には猫や家畜を襲い、人の暮らしを脅かす存在になっている。一体、野犬はどこからやってきたのか、なぜ増えているのか。
背景の1つにあるのが、2013年の動物愛護管理法の改正だ。ペットの終生飼養が義務化され、原則保健所での犬の引き取りができなくなったため、飼えなくなった人が捨てて、野犬になったと見られるという。住民たちは「あれは捨て犬だ」と口をそろえる。
そうした野犬を育て直し、再び飼い犬にする活動を続けてる人たち、19年前に設立されたボランティア団体「石川ドッグレスキュー」。最近ここに保護される犬の多くは野犬だという。警戒心が強く人に触られることを嫌がるが、メンバーたちが根気よく育て直して新たな飼い主を見つけている。
そんな犬たちも、元は「飼い犬」。保健所が捕獲される野犬には首輪をつけていたり、しつけができていたりする犬もいるという。ドッグレスキューのメンバーたちは、人間の身勝手さが「野犬」にしたのだと指摘する。
奥能登にいる野犬の実態を追いながら、なぜ野犬になったのか。その背景を検証していく。