土用の丑の日といえば、美味しいうなぎが目に浮かびますね。けれど、なぜうなぎ?! と思う人も多いのではないでしょうか。そこには暑い夏を健やかに過ごす先人の知恵が隠されています。今回は、土用の丑の日の過ごし方をご紹介します。
土用とは?
土用の丑の日。土用波。土用干し。土用がつく言葉はたくさんあります。土用とはいったいどのような意味があるのでしょうか。土用とは「土旺用事(どおうようじ)」のこと。つまり土のエネルギーが最も旺じる(勢いが盛んになる)時のことをいいます。
鍼灸や漢方、風水などの根本原理ともなっている古から伝わる陰陽五行では、森羅万象この宇宙に存在するエネルギーを「木・火・土・金・水(もく・か・ど・ごん・すい)」と5つのエネルギーに分け、季節に例えると木のエネルギーを春、火のエネルギーを夏、金のエネルギーを秋、水のエネルギーを冬としています。そして、その間を取り持つ季節と季節の変わり目が土のエネルギーとなります。土のエネルギーが最も旺じるおよそ18日間を土用と言い、春の土用、夏の土用、秋の土用、冬の土用があり、一年で4回の土用があります。
2020年土用の丑の日はいつ?
土用のはじまりを「土用入り」、土用が終わりを「土用明け」といいます。2020年夏の土用入りは7月19日、土用明けは8月6日です。十二支は、「子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)」と巡ります。土用の期間には1回、もしくは2回の丑の日があり、その日を土用の丑の日といいます。
2020年の夏の土用の丑の日は、7月21日、8月2日と2回巡ってきます。このような場合は、最初に巡る7月21日を「一の丑」、2回目に巡る8月2日を「二の丑」いいます。
土用は免疫力アップが大事
土用は季節の変わり目。季節の変化に伴い、私たちの身体も疲れが溜まり体調にも変化がでやすい時となります。
栄養価も高く、香ばしいにおいが食欲をそそるうなぎは、暑気払いにぴったりですね。この他にも梅干し、うどん、瓜(うり)。牛肉(うし)、馬肉(うま)というように、「う」が付くものがいいとされます。
土用の期間は、薬草をいれたお風呂に入る「丑湯」、お灸をすえる「土用灸」などで身体をいたわる、またカビが生えやすく、虫もでやすい時期でもありますので衣類の虫干しをする「土用干し」などの風習もあります。栄養があるものを食べ、身体のメンテナンスをおこない、免疫力を落とすことなくしっかりと衛生管理をすることは、暑く厳しい夏を乗り切るのには最適です。
いかがでしょうか。土用はちょうど梅雨明けの時期。夏の日差しもいっそう強く輝きます。免疫力を高めて、夏バテなど無縁な身体づくりをしましょう。