ヤマハは、フラッグシップモデル「NS-5000」の設計思想を継承するブックシェルフ型スピーカー「NS-3000」を発表した。8月28日の発売を予定しており、価格は2台1組ペアで900,000円(税別)。あわせて専用スピーカースタンド「SPS-3000」も発表した。スピーカーと同時に発売し、価格は1本あたり100,000円(税別)。

  • ヤマハ、フラッグシップの設計思想を継承するブックシェルフ型スピーカー「NS-3000」

    YAMAHA「NS-3000」

NS-3000は、ドライバーに3cmドーム型ツィーターと、センターキャップレス・コンケーブ型コーン採用の新開発16cmウーファーを搭載したブックシェルフ型スピーカー。いずれもドライバーユニットの素材に東洋紡社製の「100%ZYLON(ザイロン)」を採用する。ザイロンはベリリウムの高速な応答性と、アラミド繊維の低い内部損失という2つの性質を併せ持つ繊維素材で、この素材をベースにモネル合金蒸着コーティングを施した。

  • ツィーターユニット背面に搭載するR.S.チャンバー(R.S.はResonance Suppressionの意)

ツィーターユニットの背面には、振動板の背後に発生する不要な管共鳴を抑制する特許技術「R.S.チャンバー」を搭載。音響解析に基づいて配置する2本の特殊形状管で不要共振を減衰させ、音楽ソースの微小信号も損なわない、自然な音の響きが蘇るとする。

キャビネット設計では、楽器の研究開発で用いられるレーザー測定やFEM(Finite Element Method)解析を駆使した最先端の設計技術を導入。キャビネットの振動特性を把握し、解析値と実測値の比較を繰り返すことで、不要共振と放射音の影響を高精度にシミュレーションし、最適な補強桟の構造を見出したという。素材には節や穴を丁寧にひとつずつ取り除いた北海道産白樺の積層合板(MDF)を採用し、耐久性と高品質を両立した。

また、スピーカーの形状はシンプルな直方体として、スピーカー内部に放射される定在波を特定の周波数に集約。これを共鳴管で効果的に打ち消す特許技術「アコースティックアブソーバー」を採用する。これまで大量に必要だった吸音材を最小限に抑えることで、失われがちだった臨場感を活き活きと再現するという。

  • ヤマハのグランドピアノ同様の黒鏡面ピアノフィニッシュ仕上げ

本体外装は、同社のグランドピアノと同じ黒鏡面ピアノフィニッシュ仕上げ。外装6面の全てに専用塗料と下地材を用い、グランドピアノ同様の研磨工程を経ることで美しい外観に仕上げたとする。均一で高い硬度を誇る被膜塗装はキャビネットの剛性向上に貢献し、S/N感の高い冴えたサウンドに寄与するという。

  • ネットワーク回路構成パーツ

  • 真鍮削り出しのシングルワイヤリング仕様

ネットワーク回路も専用設計で、音響用コンデンサーには独ムンドルフ社製の最高級品「MCap SUPREME EVO」を使用する他、内部配線にはPC-Triple Cを採用。自然な聴き心地にこだわってスピーカーターミナルはシングルワイヤリング仕様とし、真鍮削り出しの高品位パーツを用いた。

主な仕様として、再生周波数帯域は39Hz~60kHz(-10dB)/~100kHz(-30dB)、許容入力は60W、最大入力は120W、出力音圧レベルは87dB/2.83V、インピーダンスは6Ω(最小4.6Ω)、フィルター特性はツィーター:-16dB/oct、ウーファー:-6dB/oct。本体サイズはW244×H394×D292mmで、重さは1台あたり13.1kg。5年間の製品保証が付帯する。

  • 専用スタンド「SPS-3000」

  • スピーカー搭載イメージ

あわせて発売されるスピーカースタンド「SPS-3000」は、NS-3000専用設計。ベース部は4.5mm厚の鉄板に18mm厚のMDF材を張り合わせた3層構造で、衝撃吸収力に優れて傷がつきにくいポリウレアコーティングを施した。なめらかな曲線の脚部は2本を前後に向かい合わせることで、音の反射による影響を最小限に抑えつつ、スピーカーを強固に支持する。底面には着脱可能で、高さを微調整できるスパイクを備える。

本体サイズはW306×H648×D401mm(スパイク含む)で、重さは1台あたり15.3kg。スピーカー固定用ネジ×2と、スパイク×4が付属する。