シャープは7月16日、プラズマクラスター冷蔵庫の新製品として、フレンチドアタイプの「SJ-AF50G」と、どっちもドアタイプの「SJ-AW50G」を発表しました。定格内容積はどちらも502L、発売はSJ-AF50Gが8月6日、SJ-AW50Gが8月27日。価格はオープンで、市場推定価格(税別)はSJ-AF50Gが340,000円前後、SJ-AW50Gが320,000前後です。

  • 左の2機種がどっちもドアタイプのSJ-AW50G、右の3機種がフレンチドアタイプのSJ-AF50G。現在のところ502Lモデルのみ発売。本体サイズは、SJ-AF50GがW685×H1,833×D699mm、SJ-AW50GがW685×H1,838×D699mm

シャープの家電は、AI(人工知能)とIoTのテクノロジーをあわせた独自の「AIoT」機能を搭載しています。AIoTとはシャープが作った言葉で、「家の中の様々な家電やIT機器をクラウドにつなぎ、人工知能化することで、それらが人に寄り添う世界を目指す」というもの。

単に家電や機器がクラウドにつながっているだけでなく、人工知能がユーザーの好みや生活リズムを学習していく点が特徴です。現在、プラズマクラスター冷蔵庫、ウォーターオーブン「ヘルシオ」、水なし自動調理鍋「ホットクック」といったキッチン家電のほか、エアコン、洗濯乾燥機などAToT製品のラインナップは増加中です。

  • 高さはどっちもドアタイプのほうが5mm高くて、1,838mmです。マイナビニュース・デジタルの林編集長(165cm)と比較してみました

AIoT家電は、スマホアプリによって一層便利に使えます。従来、調理機器の操作は「COCORO KITCHEN」、エアコン操作は「COCORO AIR」など、家電ごとにアプリがありましたが、2019年5月にAIoT家電を一括管理できる「COCORO HOME」アプリを提供開始。

登録した家電の運転状況や各種情報の確認、電源のオンオフといった操作を「COCORO HOME」で行えます。また、ノーリツやリンナイのガス機器と連携したりと、他社サービスとの連携も広がっています。

  • AIoT冷蔵庫があると、スーパーの特売情報をチェックしたり、献立相談だけでなく、冷蔵庫ドアの開閉状態を把握できるため、家族の見守りにも使えますね

そんなシャープのAIoT冷蔵庫が、新製品でさらに進化しました。シャープのAIoT冷蔵庫は、アプリに郵便番号を登録しておけば、自宅周辺にあるスーパーの特売情報を知らせてくれました。

今回の新製品では、最大5店舗までお店を登録できるように。駅から近いお店、自宅から最寄りのお店、保育園に近いお店などと、自分の生活動線にあわせて特売情報をチェックできます。ちなみに、発信される特売情報は、ロコガイドの買物情報サービス「トクバイ」を使用したものです。

  • 登録した店舗の特売情報をスマホで確認

  • 特売で安くなっている食材を使った献立提案も!

  • どっちもドアタイプは人感センサーが反応し、音声でお知らせします

  • 買い物に行く前に冷蔵庫にひと声かけて、特売情報をチェック!

さらに、調理家電用アプリ「COCORO KITCHEN」に備わっている「買い物メモ」に食品を登録しておくと、その食品の特売情報を優先的に知らせてくれます。

例えば「今日は八宝菜を作ろう」と考えて、「豚肉、パプリカ、にんじん、いか」などの食材を登録しておけば、買おうと思っている食材の特売情報をチェックできるというわけ。これなら効率よく買い物できそうですね。

特売情報をもとにレシピを提案してくれる機能も備えているため、メニュー決めや買い物メモづくりをサポートしてくれます。なるべく安く短時間で買い物したい! という人にうってつけの機能といえそうです。

コロナ禍で買い物スタイルが変化

実はこの「効率よく買い物をしたい」というのは、最近の買い物意識をとらえたもの。シャープによると、コロナ禍で生活スタイルと意識が変化しており、冷蔵庫の使い方にも変化が起きています。

それは、テレワークの定着による内食・家飲みの傾向、スーパーでの買い物を短時間で行う傾向、買い物回数を減らすためにまとめ買いが増加、家庭内の食材ストックが増加……といったことなんです。

  • 生活スタイルの変化に伴い、冷蔵庫の使い方も変化

  • 自宅で過ごす人が増えて、冷蔵庫ドアの開閉回数が増えていることが分かります

  • 冷凍庫に食材を長期保存する人が増えています

  • シャープのプラズマクラスター冷蔵庫のユーザーは、もともと90%の人がプラズマクラスター運転をしていたそうですが、さらに増加。衛生意識も高まっています

まとめ買いにうれしい170Lの「メガフリーザー」

新モデルの冷蔵庫は、新しい生活スタイルに役立つ頼もしい機能を多く備えています。なんといっても一番の魅力は、170Lの大きな冷凍室「メガフリーザー」です。3段に分かれているため、食材の大きさによって整理しやすくなっています。

  • たっぷり入る冷凍室が魅力

  • ブックエンドのように使える仕切り「4切り名人」を備え、食材を立てて収納。使うときに探しやすい!

野菜室には、乾燥を防いで鮮度を守る工夫が。2016年モデルから採用している「雪下シャキッと野菜室」は、野菜室を仕切りで覆い、冷気が直接あたらないようにして冷やします。乾燥を防ぐほか、野菜の甘み成分がアップするという点が特徴です。ちなみに「雪下」は、雪国で作られる「雪下野菜」や「越冬野菜」から取ったもの。収穫した野菜を雪の中に保存して冬を越えさせると、野菜の糖度が増します。

  • すっぽり覆って、冷気が直接あたらないようにしています

  • 真ん中にレイアウトされているため、大きな野菜も取り出しやすくなっています

清潔機能では、シャープの空気清浄機やエアコンに搭載しているプラズマクラスター機能を引き続き装備。冷蔵室、野菜室、チルドルームなど、それぞれの部屋に専用ユニットを配置し、庫内を清潔に保ちます。プラズマクラスターは、雑菌やニオイを抑える効果があります。

  • シャープおなじみ「プラズマクラスター」で庫内を清潔に

  • ドアの開閉を見守っており、閉めた後には集中して庫内にプラズマクラスターイオンを放出。ちなみに卵ケースは独立しているため、庫内の好きな場所にセットできます

個人的にオススメなのが製氷室です。ロックアイスのような透明で大きな氷を含めて、大きさ・透明度が異なる4タイプの氷が作れちゃいます。特に夏場は飲み物や料理に氷を使うことが増えるため、ロックアイスみたいな透明の氷が家で作れると、ちょっとした特別感がありますよ。

  • 4タイプの氷が作れます

「COCORO KITCHEN」がウェブ化してもっと使いやすく

シャープの調理家電用サービス、「COCORO KITCHEN」のレシピサービスが7月17日から、ウェブサービスとしてもっと使いやすくなります。

従来、スマホ専用アプリ「COCORO KITCHEN」からしかレシピ検索ができませんでしたが、ウェブ化することで、仕事の合間にPCでチェックしたり、タブレットで検索できるようになりました。

このほか、「お弁当」「作り置き」など、テーマの中から好みのレシピ検索が可能。家庭の食スタイルにあったオススメメニューをトップ画面に表示する設定もあり、より検索しやすくなります。

  • スマホ専用アプリを使わず、ウェブブラウザでレシピ検索ができるので、家族と相談しながらメニューを決めたりもしやすそう

  • 「COCORO HOME」を通じて、ヘルシオ、ホットクック、冷蔵庫と連携。ヘルシオやホットクックにはレシピをダウンロードできるため(対応モデルのみ)、機器に食材を入れれば、火加減や時間は家電におまかせで調理

基本機能は2019年モデルと大きく変更なし

今回の新しい冷蔵庫は、プラズマクラスターの発生機能、「雪下シャキッと野菜室」、透明な氷が作れる「おうちでロック製氷」、最大約25%の節電効果が得られる「節電25もモード」など、基本的な機能は2019年モデルから継続しています。新製品の変更点はAIoT機能の進化です。

AIoT機能は、年々進化しており、AIoT対応家電を購入すれば、新しいサービスが追加されていきます。家電を買い換えなくても、新しいサービスを利用できる点が魅力。サービスが進化する冷蔵庫というのは、ちょっとお得な感じがしますね。