ポルシェジャパンは8月31日(火)までの期間限定で日本初のポップアップストア「Porsche NOW Tokyo」(東武有明フィールド)をオープンする(一般公開は7月12日から)。店内にはポルシェ初のフル電動スポーツカー「タイカン」を常設で展示。VR体験スペースでは自分好みのポルシェを作り上げ、すみずみまでチェックすることができる。店舗開設に先立つ会見では、タイカン購入希望者に関する興味深いデータも明らかになった。
話題の電気自動車「タイカン」を常設展示
ドバイ、アテネ、台北、シュトゥットガルトを経て、いよいよ東京でオープンすることになったポルシェのポップアップストア。有明を選んだ理由は、未来のオリンピック開催エリアとしてその名が歴史に残る場所だからだという。店舗オープンに先立つ会見に登場したポルシェジャパン代表取締役のミヒャエル・キルシュ氏は、「Porsche NOW Tokyo」を「『タイカン』のコミュニケーションプラットフォームを通じて、新しいポルシェの『E-モビリティ』の取り組みを紹介する施設」であると説明した。
全面ガラス張りのオープンレイアウトを採用した店舗にはVR体験スペースを設置。ここではリアルなカーコンフィギュレーターを用いて、来場者が好みで設定した車両モデルをVRでくまなくチェックすることができるそうだ。
また、店内にはポルシェを知り尽くした“ポルシェプロ”が常駐する。こちらも、日本初となる取り組みだ。車両の販売に限らず、製品やブランドなどのあらゆる疑問に応対できる彼らを通じ、ユーザーのポルシェに対する理解を深めていく戦略なのだという。
デッキと店内には、計3台のクルマを設置できる展示スペースを用意。オープン当初は欧州仕様の「タイカン ターボ」と「タイカン ターボS」2台を展示する予定だ。その後は展示車両を絶えず入れ替えていく方針だが、そのうち1台は必ず「タイカン」になるという。
キルシュ氏からは、「いち早くタイカンが試乗できる計画も進行している」とのサプライズ発表も。このクルマに興味のある人にとっては、年内の日本デビューを前にいち早く性能を確認できる絶好の機会となるはずだ。
「タイカン」登場でポルシェデビューが増加?
会見では、ポルシェジャパンでプロダクト&ブランディングマネージャーを務めるアレクサンダー・クワース氏が興味深いデータを明らかにした。2019年11月に開始したタイカン予約プログラムを通じて得られた購入希望者のプロファイルだ。
それによれば、タイカン予約者の45%は初めてポルシェを選ぶ新規ユーザーであったとのこと。さらに、予約者の実に95%はガソリンエンジン車から乗り換える“EVデビュー”のユーザーだったという。タイカンはどうやら、ポルシェオーナー以外からも高い注目を集めているようだ。
「タイカン」のエクステリアは、EV特有の空気抵抗に優れた造形と伝統的なポルシェのデザインが違和感なく融合しているのが特徴だ。高く張り出したフロントフェンダーと低いボンネットによる高低差のメリハリが、ポルシェ特有の力強さを表現している。ポルシェのDNAともいうべきサイドのフライラインは「911」を彷彿とさせる。
EVの核となるバッテリーには800Vの高電圧システムを採用。これによって得られるメリットは、「国内最速の150kWの急速充電に対応」「モーターから、より大きなパワーを発揮できる」「バッテリーがコンパクトになり車体重量の軽量化を実現できる」の3つだとクワース氏は説明する。フル充電の状態であれば、航続距離は400キロ以上になるそうだ。
なお、「Porsche NOW Tokyo」にはバッテリーの80%(航続距離300キロ相当)を24分でチャージできる急速充電器「ポルシェ ターボチャージャー」も展示される。来店時にはタイカンとともに、こちらもぜひチェックしてみてほしい。