• 出典:自衛官募集ホームページ 自衛隊 OFFICIAL LIFE HACK CHANNEL

普通に考えたら、ほぼ100%起こり得ないけれど、それでも絶対とは言い切れない危機に対しても役立つのが自衛隊式の対処術。知っているだけで安心感につながる知恵を公開しているのが「そのとき、ジブンを守る、48のワザ 自衛隊 OFFICIAL LIFE HACK CHANNEL」だ。企画した危機管理のプロ、陸上自衛隊 陸上幕僚監部の橋本政和さんに危機への対処術を聞いてみた。

「まるでサウナ……」炎天下、水中、乾燥時における自衛隊の対処法を聞く

新型コロナ騒ぎで改めて実感したように、世の中ではあり得ないことが往々にして起こる。どんな事態にも対処できるよう、基本的な対処法を聞いた。

「気温35度、溶けそう…」熱射病のリスクを回避する方法は?

  • 出典:自衛官募集ホームページ 自衛隊 OFFICIAL LIFE HACK CHANNEL

「ここは熱帯?」夏はそんな日も珍しくなくなってきました。熱射病対策をしっかりすることが大事です。後頭部や首を覆うような帽子があればOK。なければ、帽子の後ろに、タオルやハンカチを挟んでかぶるといいでしょう。後頭部をカバーすれば、日光を遮断できるので熱射病のリスクを下げることができます。

万一、誰かが熱射病になった場合は、風通しのいい日陰などの涼しい場所に移動し、頭を高くして、仰向きに寝かせます。次に、衣服や靴を脱がし、水をかけて全身を冷やします。意識がはっきりしてきたら、冷たい塩水を飲ませましょう。

「わわわ! ジョーズだ!」海水浴中にサメと遭遇したら自衛隊はどうする?

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可能性は限りなく低いですが、ダイバーなどの場合はあり得るかもしれません。サメは大きな音を嫌う習性があります。まずは大きな音をたてること。海面を強く叩く。または水面に口をつけて大声で叫ぶ。などが有効です。

自衛隊ではそういう訓練をすることもあります。とはいえ、サメがいそうな海域に近づかないことが第一。サメだけでなく、クラゲなど海のさまざまな危険な生き物には十分に注意して夏のレジャーを楽しみましょう。

「さわるとバチバチッ」乾燥する季節に静電気を避けるための方法は?

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私たちは訓練中に、火薬類を取り扱うことがあります。この時、危険防止のために独自の静電気除去方法を基本動作として行っています。決して静電気が怖いわけではありません(笑)。

その方法は至ってシンプルです。乾燥しやすい冬場、手袋を外して、四つん這いになり、手の甲の部分を地面に当てて、体に溜まっている静電気を放出します。このとき、「アースよし!」と喚呼します。

まさに大地に静電気を流すアースそのものです。日常生活には向かない方法ですので、皆さんには市販されている静電気除去グッズをおすすめします。

「スキー場でまさかの遭難!!」雪の中でも体温を保つためのコツを聞く

南の地方ではほぼ縁がないリスクだが、旅先で思わぬ大雪に遭遇しないとも限らない。そんな想定外に備え、対処法を覚えておこう。

「雪の中に取り残された……」極寒の屋外で体温を保つ方法は?

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これは冬場の地震のときの備えにも繋がると思いますが、雨合羽を防寒のために使う方法があります。雨合羽って雨を防ぐためだけじゃなくて、自分の体温を保持するためにも使えるんです。服の途中に挟んで着ると、格段に保温性が高まります。夏場でも水害でずっと外で過ごさなければいけないことがあって、そういう場合は、外側に着るよりも間に挟んでもらったほうが、保温効果が高くなります。

「このままじゃ凍死……」そんな時、雪国の自衛隊はどうしている?

  • 出典:自衛官募集ホームページ 自衛隊 OFFICIAL LIFE HACK CHANNEL

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かまくらは風雪や寒さをしのぐために、緊急避難や休憩場所として使えるので北国の自衛隊員は訓練でよく作ります。まず空洞部分になる場所にリュックや段ボールを集め、そこに雪をのせて固めていきます。

固めたら、1~2時間置いてこんもりした小山の状態になるまで待ちます。それから50~60cmくらいの小枝をいくつか同じ深さに刺しておきます。次に入口を開け、シャベルで掘り進み、中のリュックや段ボールを取り出します。このとき、刺した小枝が出てくるまで掘ると、中の壁が均一の厚さになります。最後に小枝を抜いたら出来上がりです。

かまくらを作るには、前提として、相応の雪量と氷点下の気温が不可欠となります。補強するための裏ワザとして、私たちは雪に砂を混ぜ、水を加えて固めます。そうした訓練スキルの成果は、例えば、さっぽろ雪まつりの雪像づくりなどにも活かされています。

「なぜ自分だけがこんな目に…」どんな状況でもメンタルを強く保つ方法とは?

災害時、もっとも大事なのはメンタル、心を平静に保つことです。そのためには、こういう事態になったらこうしようと、いつも次を考えながら行動すること。また、日々、その日の行動を客観的に振り返ることが大事です。自分や自分の大切な人をどうやって守るかを考え、備えることでメンタルを維持するよう心がけています。家族や仲間、チームとの絆、つながりを感じながら行動することで、メンタルは強く保つことができます。