緊急事態宣言が解除されてから1カ月が経過した。オフィス街はもちろん観光地やテーマパークにも人々の姿が戻り始めている。新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」にも徐々に慣れてきたという人も多いのではないだろうか。
そこでマイナビニュース男女会員520人を対象に、「生活面」「仕事面」それぞれにおいて「新型コロナの影響で、良い方向に変化したこと」についてアンケートを実施した。コロナ禍という先が見えない事態に不安や戸惑いも多い中、実感した「良い変化」とは、いったいどのようなものだったのだろうか。今回から2回にわたって、【生活編】【仕事編】に分けてお伝えする。
良い方向に変化したこと、「衛生習慣」がダントツ
Q.コロナの影響で普段の生活が良い方向に変化したと感じていることや、コロナ後も続いてほしい習慣はありますか?
マイナビニュース会員に、コロナの影響で普段の生活が良い方向に変化したことや、コロナ後も続いてほしい習慣はあるか尋ねた。その結果、76.0%が「ある」、24.0%が「ない」と答えた。良い方向に変化していることを実感した人や、今後も習慣化したいと思っている人の方が、3倍近くほど多いことが分かった。
Q.普段の生活で、良い方向に変化を感じていることや習慣の場面を一つ選んでください
「コロナの影響で普段の生活が良い方向に変化したと感じていることや、コロナ後も続いてほしい習慣がある」と答えた人に、普段の生活で良い方向に変化したと感じていることについて尋ねた。
その結果、最も多い回答は「衛生習慣」(39.2%)だった。2位は「買い物」(12.9%)、3位は「コミュニケーション」(11.1%)となっている。以下、「外出」(10.1%)、「食事」(9.1%)、「服装」(6.8%)、「趣味」(4.3%)と続いた。
具体的にどのような変化があったのか聞いてみよう。
■1位:「衛生習慣」
・32歳/女性「皆が手洗いうがい、手の消毒やマスクの着用などを心掛けてくれるようになった。そのおかげで、例年よりインフルエンザの流行は抑えられたような気がする」
・61歳/男性「これまで手洗いや咳エチケットなど重要視されていなかったことが見直され良い習慣になっているのでこれを続けてほしい」
・45歳/男性「子どもたちの感染に対する意識の高まり」
・52歳/女性「いつでも店先にアルコール消毒液が設置してある」
・38歳/女性「自分がこまめに掃除するようになった」
・39歳/男性「手洗いは必ず数分するようになった」
■2位:「買い物」
・54歳/女性「買い物レジに並ぶ時の間隔あけ。ずっとこうすれば、インフルエンザとかも少なくなるのでは」
・69歳/男性「1人で買い物をすることが多くなったので、素早く買い物ができて無駄遣いが少なくなった」
・24歳/男性「電子マネー決済ができる店が増えた」
・58歳/男性「店が混雑しない時間帯を狙って買い物に出かけるようになったので、買い物がスムーズにできるようになり、結果的に人との接触や店での滞在時間を減らすことができた」
・38歳/女性「前よりネットスーパーメインになった」
■3位:「趣味」
・56歳/男性「今までやろうとしていてできなかった家での趣味ができるようになった」
・43歳/男性「時間ができたので、新しい趣味が発見できて楽しめるようになったから」
■4位:「外出」
・42歳/男性「アレルギーでマスクしてても不審者扱いされなくなった」
・42歳/男性「会社の飲み会が減った。あまり参加したくなかったので、ありがたい」
・37歳/男性「外出する頻度が少なくても、文句を言われなくなった。出無精も歓迎されるムードになったこと」
・24歳/男性「混雑が緩和されてる感じがする」
■5位:「コミュニケーション」
・59歳/男性「家族で相手を思いやる会話が増えた。また出かける場合も場所の情報を確認、話し合うことが増えた」
・54歳/女性「日常の隣人等とのコミュニケーションが少なくなり煩わしさが低くなった」
・58歳/女性「夫婦の会話が増えた」
・27歳/男性「オンライン化が進んでコミュニケーションの幅が広がったと思う」
■6位:「食事」
・55歳/男性「外食が減って食費が大きく下がったことと、料理の腕が上がったこと」
・41歳/女性「テイクアウトが豊富になり、普段行けないお店の料理も、1人で食べられるから」
・58歳/女性「外食が減り、出費も体重も減ったので!」
・39歳/男性「気になった店のテイクアウトが増えたので、気軽に楽しめる」
■7位:「服装」
■「その他」
・23歳/女性「掃除をしたり、インテリアを新調したり、家の中でのQOLが上がった」
・49歳/男性「電車の中で話す人が減った。以前友達どうしで盛り上がってうるさいのが嫌だったので、静かな車内が続いてほしい」
・22歳/男性「自分の空いた時間で授業が受けられるため余裕を持って授業に臨めた」
・53歳/男性「テレワークが導入され、在宅勤務もいいものだと思った」
・42歳/女性「時差通勤やテレワークが増え電車内が混まないこと」
・68歳/男性「テレワークなどで、必要でない通勤や出勤が確認され、不要な会議や職種が多いことも確認された。遅くまで残業して、そのあと、職場のメンバーで飲み屋に行くなどの、古い習慣も極端に減った」
最も多かったのは「衛生習慣」だった。これまで手洗いやうがいを行っていたものの、芸能人の「手洗い動画」の影響もあり、より念入りにすることが習慣化しているようだ。マスク着用や店舗に入る前の手の消毒なども普通となり、そのおかげで「今シーズンは風邪やインフルエンザにもならなかった」と健康面でのメリットを挙げる人も多かった。
また、「買い物」という回答も多い。これまで漠然とダラダラと買い物をしていた人も、感染リスクを減らすため、「混雑していない時間に短時間に済ませる」ことを心掛けるようになってきているようだ。買い物リストを持って、1人で買い物することにより、「子どもにお菓子をせがまれる」「あれこれ迷って結局無駄遣いする」ということもなくなりそうだ。
家にこもる時間がおのずから長くなるため、新しい趣味を見つけた人や、運動不足を解消するために家で筋トレを始めた人もいる。必要のない付き合いが淘汰され、代わりに家族とのコミュニケーションが増えたという声も多い。オンライン会話やSNSの活用を通して、遠方に住んでいる人や懐かしい人との交流を楽しんでいる人もいた。
また、テイクアウトにシフトする飲食店が増えたため、家で手軽にレストランの料理を味わうという楽しみ方を覚えた人も多かった。その他の意見として、「好きな時間に受けられるオンライン授業が快適」「外出の機会が減ったので支出額も減った」「電車の中が静かになった」という声も。
自由回答を通して見えてきたものは、今まで当たり前だと思っていた習慣や生活様式が「外出自粛」で大きく見直すきっかけになっているということ。行動の制限で抑圧された思いを抱える人が多いかと思われたが、「オンライン飲み会」「手作りマスク」「おうちレストラン」など、新しく生まれた文化や習慣を好意的に受け入れ、楽しんでいる様子がうかがえる。
次回は【仕事編】で、仕事をする上でどのような良い変化があったのか迫ってみよう。
調査時期 : 2020年6月13日
調査対象 : マイナビニュース会員
調査数 : 520人
調査方法 : インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません