事前に察知したり、予測して防ぐのが難しい災害の代表が地震と火事だろう。いざという時でも、パニックにならず対処して身の安全を確保したい。そのための危機管理の知識を公開しているのが「そのとき、ジブンを守る、48のワザ 自衛隊 OFFICIAL LIFE HACK CHANNEL」。企画した危機管理のプロ、陸上自衛隊 陸上幕僚監部の橋本政和さんに危機への対処法を聞いてみた。
「揺れてる……でかいぞ!」突然やってくる事態への対処法を聞く
首都圏直下地震などいつなんどき起きてもおかしくない地震やそれに伴う火事。防災グッズなど日頃の備えのコツを聞いた。
「もっと安全な場所へ!」避難時の持ち物で注意すべきことは?
いつ来てもおかしくない地震。避難する際は、各種用品をリュックなどに詰めて背負って避難します。防災意識の高まりによって、防災グッズセットを備えているお宅も増えているようです。外は雨が降っていないとも限りませんから、予め濡れないような対策を取りましょう。
さまざまな天候下、徒歩などで長時間、移動しかければならないことが多い私たちは、行動基本のひとつとして、パッキング方法を徹底的に習得します。まず大事なのは防水です。リュックの内側に大きなビニール袋を入れた上に、衣類などは市販の密閉袋(商品名でいえばジップロックなど)に、下着なら下着、靴下なら靴下をそれぞれ小分けにして入れます。これで防水だけでなく、防臭対策にもなり、整理整頓が容易になります。
道端に人が! 正しい救助法を聞いてみた
巨大地震が起き、幸いにして自分が無事であったとしても、誰かが危険な状態に遭遇することがないとは限らない。そんな時の対処法を聞いてみよう。
「ケガ人が倒れてる!」動けない人を運ぶときのポイントは?
地震や火災でケガをした方がいる場合は、まず、動かしていいかどうかの判断が必要です。しかし、建物の倒壊などの恐れがあり、そこに置いておく危険性のほうが大であれば、すみやかに安全な場所に移すことが先決です。
2人1組で運べるなら、負傷者のヒザの下と背中を2人が手を組み、その上に負傷者を座らせて運びます。これを「両手搬送」といいます。
一人で運ばなければならない場合、負傷者に意識があれば、普通の「背負い搬送」がいいでしょう。意識がない場合は、まず負傷者をうつ伏せにして上体を起こし、腰から立ち上げ、負傷者のお腹を背負うように抱え込んで運びます。これが「消防士搬送」です。
負傷の程度によっては、手製の担架を作って運びましょう。一人が適当な長さの棒を2つ持ち、もう一人が上着の裾をつまみ、めくり上げるように通して引っ張り、即席の担架を作ります。上着の代わりに毛布などでもかまいません。担架でなくても、手近に適当な戸板やボードを代用してもいいですね。いずれにしても、負傷者の顔色などに注意しながら、声かけしつつ、臨機応変に素早く行動することが大切です。
電気・ガス・水道が寸断!非常時に火を上手に扱うコツを聞く
火は火事のもとでもあるが、扱い方を間違わなければサバイバルに欠かせない道具にもなる。自衛隊流の火の扱い方を学ぼう。
「電気が点かない!」家にあるものをランプ代わりにする方法は?
ツナ缶の中央部に穴を開け、綿紐を入れてロウソク代わりにする方法が有名ですが、ライフハックの動画では、バターを代用する方法を紹介しています。パッケージのまま角切りにしたバターの中心に爪楊枝で穴を開け、穴に綿紐を入れ、軽くつまんで穴を塞ぎます。バター100gで約4時間、ロウソク代わりに燃焼します。綿紐がなければ、ティッシュペーパーをこよりにして芯代わりに使います。
「大変だ、ガス台から火柱が!」自宅で出火した時の正しい消化方法は?
いつでも「火の用心」が大事ですが、もし、出火してしまった場合、まず気をつけたいのは慌てて水をかけないこと。とくに、電化製品や電源タップなどから火が出た場合、キッチンのガスコンロにかかった鍋やフライパンの油が燃えた場合は、絶対に水で消火してはいけません。
電気火災の場合は感電する恐れがありますので、水をかけずに真っ先にコンセントを抜いてください。消火には、燃え広がる前に、素早く消火器を使うこと。これらが初期消火の基本です。いざというときのために、消火器を備えておきましょう。地震の際に発生する火災もありますので「備えあれば憂いなし」です。
「これぞまさしく想定外」の事態にも、落ち着いて冷静に対処するには?
知識と経験が優位に働きます。それこそ、今回の私たちのライフハック術がお役に立てれば、うれしいです。知識として頭に焼き付けると同時に、それらを実践できるスキルを私たちは訓練をくり返して身に付けています。皆さんも動画を見ながら、実際にやってみると知識はより生きてきます。知識、経験とスキル、基本的なことだけでも習得しておくと、いざというときの強みになります。