ブラザー販売は7月7日、スマートフォンから操作するラベルライター「P-TOUCH CUBE」シリーズの新モデル「PT-P910BT」を発表しました。最新モデルの大きな特徴は、従来シリーズでは扱えなかった36mmという幅広サイズのテープに対応したこと。加えて、印刷解像度がアップし、ハーフカット機能を追加、専用アプリも進化しました。発売は7月下旬、価格はオープン、推定市場価格は28,000円前後(税別)となります。

  • P-TOUCH CUBE PT-P910BT

    スマホアプリのアイコンをイメージしたという、シンプルなデザインの本体

36mmの幅広テープに対応し、デザインの自由度がアップ

P-TOUCH CUBEシリーズはスマートフォンアプリでラベルをデザインして印刷するラベルライター。2016年に最初の製品「PT-P300BT」が登場し、2018年2月には上位モデルの「PT-T710BT」が発売されました。

今回のPT-P910BTは、シリーズ第三弾の製品となります。発表前に試作機をお借りできたので、実機に触れた印象を交えつつ紹介しましょう。

従来モデルとのもっとも大きな違いはプリントできるラベルテープの幅で、新モデルは12mm、24mmのほか、36mm幅ラベルにも対応しています。従来機のPT-P300BTは12mmラベル、PT-P710BTは12mmと24mmラベルに対応です。ちなみに、PT-P910BTの発売後も、従来の2モデルは継続して販売される予定となっています。

  • 本体サイズは約幅138×奥行94×高さ138mm、重さ約1,170g。リチウムイオンバッテリーによって、コードレスで使えます

  • テープは専用のカセット式。下が24mmタイプで、上が新モデルから利用できるようになった36mmタイプ。カセットごとにテープの質感や色、インクの色が決まっています。テープカセットは印刷のたびに交換することもできます

  • カセットの種類も150種類以上と、とにかく豊富。キラキラ光るラメタイプや透明なテープもあり、デザインの幅が広がりそう。アイロンを使って衣類に張り付けられるファブリックテープもあるそうです

  • 現在セットしているテープはアプリから確認したり、本体の透明な小窓からもチェックしたりできます

使い方も簡単で、本体に専用カセットを装着したら、専用アプリでラベルをデザインして印刷するだけ。アプリの「印刷設定」画面から「テープの自動検出」を選択すれば、本体にセットしたテープのサイズや色、インクの色にあわせたデザインをほとんど自動で作れるようになっています。

  • PT-P910BT専用アプリ「P-TOUCH Design&Print2」のデザイン画面とテープ検出画面。テープの幅や色、インクにあわせてデザインできます

【動画】プリントはなかなかスピーディー。プリント後に自動でカットしてくれるのもうれしいところです

画質アップで写真もバッチリ、しかもハーフカットが思った以上に便利

PT-P910BTならではの新機能として、印刷画質のアップとハーフカット機能の搭載が挙げられます。印刷画質は従来モデルの180dpiから360dpiまで高精細になりました。

  • テープに写真を印刷したところ。モノクロにはなりますが、ラベルライターとしてはかなり高精細な印刷

かなり便利だったのはハーフカット機能。これは、ラベルのシール部分だけをカットし、はくり紙部分は切り離さないという機能。複数のシールを一度に印刷する場合、ラベルが一枚一枚切り離されることがないので、その後の作業が非常にスムースです。

  • 「マイナビニュース」のラベルを3枚連続で印刷。一見すると3枚がつながっているように見えますが、ハーフカット機能でラベルのシール部分だけきちんとカットされています。ラベルがバラバラにならないので、複数のラベルを印刷するときにとても便利な機能です

専用アプリも大きく進化、とくにオフィスで活躍するかも?

PT-P910BTには専用アプリ「P-TOUCH Design&Print2」があると前述しましたが、このアプリも使いやすくなりました。とくに面白いのが「テキストスキャン機能」と「翻訳機能」です。

  • 100種類近くのテンプレートがあらかじめ用意されているので、デザインに自信がなくても安心。テンプレートなどは今後随時、アップデートによって増えるそうです

テキストスキャン機能は、スマホのカメラで撮影した文字を自動的にテキスト変換する機能。たとえば、もともと貼っていたラベルが汚れたり古くなった場合など、同じ文言でラベルを作りなおす場合などに、いちいち同じレイアウトでラベルをデザインしなおさなくても撮影するだけで簡単に新ラベルを作り直せます。

  • ラベルを撮影してテキストスキャンしたところ。一部が少々曲がっていてもちゃんと認識してくれました

  • 名刺などで大きさの異なる文字も、しっかりと認識

一方、翻訳機能はその名の通りテキストを他言語に翻訳する機能です。たとえば、店頭用に「両替はできません」という案内表示を作るとき、多言語で表示しておきたいというニーズは多いでしょう。

こんなときも辞書や翻訳サービスを使わずに、アプリ内で自動的に翻訳できます。しかも、複数の言語を一度に選んで翻訳することも。ブラザーによると、対応している言語数は約100種類とのことです。

  • 日本語でテキストを入力して「翻訳」ボタンを押すと、言語選択画面が表示されます。ここで言語を選択すると、自動的に翻訳語のテキストが追加されます。複数言語も選択可能です

新アプリはデータの共有機能も搭載しています。メールやクラウドを使うことで、会社やグループで作成したラベルデータの共有をするのに役立ちます。