リクルートライフスタイルの観光に関する調査・研究、地域振興機関「じゃらんリサーチセンター」はこのほど、「新型コロナウイルス感染症の旅行市場への影響」調査を実施し、結果を公表した。
同調査は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の旅行業界への影響度を旅行者の視点から測り、地域および宿泊施設を主とした今後の回復期に向けた具体的施策に役立ててもらうために実施したもの。
まず、旅行時期別に見た希望する国内宿泊旅行の目的、旅行スタイルを調べた。
「夏休み前」は、男性20代で旅行を希望する人が17.1%と高い。希望する旅行スタイルは「自家用車で移動する旅行」が最も高く56.2%。他の時期と比べて「居住地の都道府県内の旅行」(32.6%)や、「宿泊施設にとどまり外をあまり出歩かない旅行」(22.5%)が高い結果となり、「宿にこもる旅」「屋外型旅行」が多い特徴が見られる。
旅行目的は「地元の美味しいものを食べる」(52.8%)、「温泉や露天風呂」(46.1%)「宿でのんびり過ごす」(40.4%)が上位に。他の時期と比べて「まちあるき、都市散策」(25.8%) や「花見や紅葉などの自然観賞」(21.3%)など、屋外型旅行が人気となっている。
「夏休み中」は、若年層に加えてファミリー旅行の需要が高まり、夏休み前と比べて「テーマパーク」(24.3%)目的の割合が高くなる。
「秋〜年末」では、男性60歳以上、女性50代で旅行を希望する割合が高まる。「宿泊施設にとどまりあまり出歩かない旅行」の割合は減少する一方、「自家用車で移動する旅行」はいずれの時期においても50%以上が希望している。
さらに「2021年以降」は、「飛行機で移動する旅行」(31.0%)や、目的では「買い物、アウトレット」(25.7%)などの需要が高まるという傾向が見られた。
続いて、旅行者が施設に求める感染症防止対策としては「従業員がマスク・消毒を徹底して行っている」(56.7%)が最も高く、次いで「部屋の備品(TVのチャンネルや充電器など)までチェックイン前に、消毒がされている」(45.6%)、「個室での食事」(43.8%)が続く。5位には「従業員の安全対策が、施設内・HPに掲載され、徹底している」(40.3%)が入った。屋内型施設に求めることも同様に「従業員がマスク・消毒を徹底して行っている」(55.5%)が最も高い。
一方、屋外型施設については、従業員に求めることが上位に並ぶ一方、「入館・入場人数に制限を設けている」(31.0%)、「並ぶ際にソーシャル・ディスタンスが守られている」(30.1%)など、顧客に対する要望もランクインした。自由回答を見ると、3密対策だけでなく自分自身が感染した場合の発熱時の対応や、キャンセルの可否などを心配する人もいる。周りの目を気にする声も多い。
また感染症防止対策を講じるだけでなく、その情報を告知してほしいという声も多く寄せられている。
なお「じゃらんnet」では、少しでも安心して旅行を楽しんでもらうために、(1)「『じゃらんnet』の各宿泊施設の基本情報内に、新型コロナウイルス感染症への取り組み内容を紹介するページを追加」、(2)「新型コロナウイルス感染防止の取り組みの紹介に使用可能なピクトグラムを宿泊施設に無償提供」の2つの施策を展開している。