テレビ朝日系ドラマ『西村京太郎トラベルミステリー72 十津川警部のラストラン』が7月26日21時から放送される。今年春にラストランを迎えたJR札沼線新十津川駅などでロケを敢行。高橋英樹さん演じる十津川警部が新十津川駅に降り立った。

  • 『西村京太郎トラベルミステリー』最新作でも十津川警部と亀井刑事のコンビが活躍

JR札沼線は桑園駅(札幌市中央区)から石狩当別駅、北海道医療大学駅などを経由し、新十津川駅までを結んだ路線。廃止前の新十津川駅では、普通列車が午前中に1日1往復のみ発着し、「日本一早い最終列車が出る終着駅」として知られた。北海道医療大学~新十津川間(47.6km)の廃止日は2020年5月7日とされたが、北海道が新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言の対象地域となったことを受け、最終運行日が繰り上げられ、4月17日の新十津川駅10時0分発の列車がラストランとなった。

『西村京太郎トラベルミステリー』最新作となる第72弾では、40年以上の歴史を誇る同シリーズで初めて、十津川警部が新十津川駅へ。演じる高橋英樹さんは、今回の撮影で初めて新十津川町を訪れたといい、「町長さん以下、たくさんの方々がロケに参加して下さいましたし、撮影に合わせて特別に札沼線も走らせてくださり、本当にありがとうございました」とコメントしている。新十津川町は十津川警部の名前の由来である十津川村(奈良県)の住民が明治時代に移住し、築き上げた町。原作者の西村京太郎氏が新十津川町の応援大使を務めているという縁もあり、「奈良の故郷から100年以上前にこの地に移り住んだ人々の思い、そして今、素晴らしい町になっている現実…。そこに歴史を感じました」と高橋さんは語る。

今年春に一部区間が廃止となった札沼線、駅としての役目を終えた新十津川駅に関して、「私が少年の頃、新十津川駅と同じような風景の駅がたくさんありました。懐かしい、いい時代だったなぁ~と思いました」「札沼線はたくさんの人々が乗り、みなさんの思い出が詰まった線だと思います。近年、鉄道社会から車社会へと変化してきましたが、時代を感じますね…」と高橋さん。シリーズ最新作の放送に向け、「のどかな地域を走る札沼線。そこに生き、そこに育ち、大人になっていく若者たち。彼らの人生に待ち受けるものとは…!? ロマンとサスペンスが詰まった大変面白い作品だと思いますので、ぜひご期待ください!」と視聴者へメッセージを送った。

  • 今年春に廃止された新十津川駅でも撮影が行われた

『西村京太郎トラベルミステリー72 十津川警部のラストラン』では、新十津川町で撮影された郷愁あふれる風景とともに、新十津川で青春を過ごした男女3人の愛と友情、多くの人々の思いを運んできた札沼線の運命が絡んだ、切なくも美しいミステリーが展開される。登場人物が「札沼線廃止を撤回しろ!」と要求するシーンもあるという。十津川警部を演じる高橋英樹さん、亀井刑事を演じる高田純次さんをはじめ、黒谷友香さん、松尾諭さん、中村俊介さんらが出演。テレビ朝日系24局ネットで、7月26日の21時から22時54分まで放送予定となっている。