1組優勝者から6組優勝者まで11人が豊島将之竜王への挑戦を懸けて戦う
豊島将之竜王への挑戦権を争う、第33期竜王戦(主催:読売新聞社)決勝トーナメントが7月6日に開幕します。開幕局は5組優勝の梶浦宏孝六段と、6組優勝の高野智史五段との対決です。ここではトーナメント進出者の紹介をしていきます。トーナメント表の左側から順に見てみましょう。
1組優勝
羽生善治九段
決勝トーナメント進出:18回
最高成績:竜王7期(奪取5回、防衛2回)※永世竜王
ランキング戦1組を優勝したのは、永世竜王の資格を持つ羽生九段。通算3回目の1組優勝です。1つ勝てば即挑戦者決定三番勝負に進出できる絶好のポジションから、タイトル獲得通算100期に挑みます。
1組4位
佐藤康光九段
決勝トーナメント進出:18回
最高成績:竜王1期
第6期で羽生九段から竜王を奪取した佐藤康九段。羽生VS佐藤の七番勝負は6、7、8期の3期連続で行われました。もし佐藤康九段がトーナメントの初戦を勝ち、羽生九段との対戦が実現すれば、通算164局目の対局となります。これは歴代4位の記録で、3位の大山康晴十五世名人-升田幸三実力制第四代名人の167局は目前です。
1組5位
木村一基王位
決勝トーナメント進出:8回
最高成績:竜王挑戦(第18期)
前期は挑戦者決定三番勝負に進出したものの、豊島将之竜王・名人に1勝2敗で敗れ、挑戦はならなかった木村王位。竜王戦は自身のタイトル戦初挑戦の棋戦です。その時以来2度目の七番勝負進出を目指します。
4組優勝
石井健太郎六段
決勝トーナメント進出:1回
最高成績:今期
4組を優勝し、初の決勝トーナメントに挑む石井六段。第32期は惜しくも5組決勝で敗れていました。また、2期連続昇級の規定により、六段へ昇段しています。若手対決を制し、実績十分の1組勢に挑めるでしょうか。
5組優勝
梶浦宏孝六段
決勝トーナメント進出:2回
最高成績:決勝トーナメント
梶浦六段は前期の6組優勝に続いて、2期連続のランキング戦優勝。こちらも規定により六段に昇段しました。前期は決勝トーナメント初戦で近藤誠也七段に敗れてしまいましたが、今期は次なるステージに進みたいところです。
6組優勝
高野智史五段
決勝トーナメント進出:1回
最高成績:今期
西山朋佳奨励会三段の活躍が話題となった6組を制したのは高野五段。昨年の新人王戦優勝に続いての勲章を手にしました。この決勝トーナメントで2つ勝てば、師匠の木村王位との対決が実現します。「恩返し」のためにも負けられません。
1組3位
久保利明九段
決勝トーナメント進出:12回
最高成績:挑戦者決定三番勝負
5期連続での決勝トーナメント進出となった久保九段。順位戦ではB級1組に降級となってしまいましたが、「さばきのアーティスト」の健在ぶりを示しました。2019年の第68期王将戦七番勝負以来のタイトル戦登場を目指します。
2組優勝
佐々木勇気七段
決勝トーナメント進出:2回
最高成績:決勝トーナメント
第30期の4組優勝以来、2度目の決勝トーナメント進出となった佐々木七段。第30期では藤井聡太七段のデビューから続く連勝を29で止めたことで話題となりました。藤井七段を破ったあとは阿久津主税八段に勝利するも、久保九段に敗れています。リベンジなるでしょうか。
2組2位
丸山忠久九段
決勝トーナメント進出:12回
最高成績:竜王挑戦(第24、25、29期)
1組優勝最多の5回を誇る丸山九段。前期1組から陥落したものの、2組2位ですぐさま昇級を決めました。決勝トーナメントの初戦は初対決となる藤井七段。角換わり系の将棋が予想されます。
3組優勝
藤井聡太七段
決勝トーナメント進出:4回
最高成績:決勝トーナメント
ランキング戦ではいまだ負けなしの藤井七段。4期連続での決勝トーナメント進出は史上初の記録です。棋聖戦五番勝負では2勝0敗、王位戦七番勝負では1勝0敗と絶好調の藤井七段は、この竜王戦でも大暴れするのでしょうか。
1組2位
佐藤和俊七段
決勝トーナメント進出:1回
最高成績:今期
初の決勝トーナメント進出を1組で決めた佐藤和七段。ランキング戦では渡辺明三冠、山崎隆之八段、久保九段と強敵を次々と連破しました。6組から1組まですべて昇級者決定戦を勝ち上がっての昇級という裏街道を歩んできましたが、ついに表舞台に登場です。
そうそうたる顔ぶれですが、豊島竜王に挑戦できるのは一人だけ。藤井七段が3度目のタイトル挑戦をこの短期間で決めてしまうのか。それとも羽生九段が100期目のタイトル獲得を懸けた番勝負に進出するのか。はたまた若手が竜王戦ドリームを実現するのか。実績十分の実力者が意地を見せるのか。今期の決勝トーナメントも大注目です。