7月1日から「レジ袋有料化」がスタートしました。この制度の具体的なルールなどについてご紹介したいと思います。
プラスチック製のレジ袋が有料化したわけ
レジ袋が有料化する理由としては、海洋プラスチックゴミ問題、地球温暖化などの解決に向けた第一歩として、プラスチック製買い物袋の有料化を通じて、マイバッグの持参などを促し消費者の意識を高めるものです。
有料化の対象となるお店
ほぼすべての小売業が対象です。つまり、スーパー、コンビニエンスストア、デパート、衣料品店、ドラッグストア、100円ショップ、家電量販店、書店、文房具店、ファーストフード店など一般的な買い物でごく当たり前のようにもらっていたレジ袋が対象になります。
有料化の対象とならないお店
反復かつ継続してそれを業として行わないなど総合的に見て判断されます。例として、個人が個人の不用品を青空フリーマーケットで商品を売ったときのプラスチック製のレジ袋。
レジ袋の値段
価格は事業者(お店)が自由に決めることができますが、1枚あたり、1円未満になるような価格設定をすることができません。そして有料で購入したレジ袋の代金は、単純にお店側の売上となるだけで、レジ袋の売上代金の一部が環境保護のために使われるといった環境税のような意味合いはありません。
法令で有料となるレジ袋と有料とならないレジ袋
レジ袋有料化の対象となるレジ袋は、素材がプラスチック製の買い物袋で、商品を入れる袋であること、持ち手があり、消費者が要不要を選択できるもの。一般的なレジ袋と言われるもの。
有料とならないレジ袋は、素材が紙や布でできた買い物袋であり、景品や試供品を入れる袋で持ち手がなく、福袋のように商品と一体化していたり、免税品を入れる袋のように別の法令で定められていたりするものです。
対象とならないレジ袋の素材
有料化とならないプラスチック製のレジ袋もあります。例えば、プラチックのフィルムの厚さが50マイクロメートル以上であること、海洋生分解性プラスチックの配合率が100%であること、バイオマス素材の配合率が25%以上であることです。それぞれレジ袋には、必要な表示をすることとなっています。
たとえばケンタッキー・フライド・チキンのレジ袋は、植物由来のバイオマス素材を30%配合したもので、有料化以降も無料で提供されます。
ケンタッキー・フライド・チキンだけではなく、マクドナルドやモスバーガー、吉野家、松屋、すき家、餃子の王将など、ファーストフードやテイクアウトができる飲食店は軒並みバイオマス素材を配合したレジ袋を導入して、引き続き無料で提供しています。
とはいえ、たとえ無料で配布できる基準を満たした素材でできたレジ袋でも有料である場合や、そもそもレジ袋有料化の対象外である紙袋を有料販売している場合もありますので、注意をしましょう。
販売される値段もさまざま
もともとスーパーなどでは、エコバッグ持参するとポイントが付いたり、シールやスタンプがもらえて集めると商品券として使えたりといったサービスが行われてきました。レジ袋有料化で、こうしたポイント付与などのサービスを終了した店舗もあります。
販売価格は一律1枚につき1円、2円、3円、5円など、サイズによってS・M2円、L・LL5円と金額が異なるケースや、紙袋はそもそもレジ袋有料化の対象外ですが、無料、10円、15円、30円、50円など、お店によって対応が異なります。
これら有料の袋は1枚あたりは少額でも、つもればそれなりの金額になります。今の時代、普通預金に100万円を預けても、1年でもらえる利息は約8円(税引き後)ですから、無視できない金額と言えるでしょう。
ゴミ袋はタダから有料の時代に
自治体でゴミ袋が有料化されていない場合は、もっぱらレジ袋がゴミ袋として利用されています。レジ袋が有料化になったことで以降、ゴミ袋を別途買うことになるでしょう。
試験的ではありますが、期間限定で千葉市内のイオン7店舗がレジ袋削減に向けた取り組みの中で、「レジ袋の代わりに千葉市指定袋を購入しませんか」を行っています。通常は10リットルの千葉市指定の可燃ゴミ袋を10枚セット80円で販売しているところを1枚8円で販売し、レジ袋として利用してもらい、自治体指定のゴミ袋として再利用してもらうというものです。この方法が各自治体と小売店で取り入れられれば、消費者の金銭的、心理的な負担が軽くなるのではないでしょうか。
エコバッグは清潔を心掛けよう
カリフォルニア、オレゴンなどアメリカ各州では、新型コロナ対策の一環として、エコバッグの使用を禁止する行政命令を出すところもあります。州レベルではなくても、スーパーによってもエコバッグを禁止して、紙袋に切り替えているお店もあります。その理由は、エコバッグを通してウイルス感染やウイルスを外へ持ち出してしまう可能性があるからです。
エコバッグを使ったら、手洗いやネットに入れてこまめに洗う。使用後はアルコールスプレーをかけて乾かす。除菌シートで内側、持ち手や外側も拭くなどして常に清潔を心掛けましょう。
これからは、かばんやポケットにエコバッグを忍ばせておく習慣を身に付けて、限りある資源を大切にする意識を高めつつ、細かい出費も上手に節約しましょう。