米Microsoftは7月2日 (現地時間)、Windows InsiderプログラムのDevチャネルを通じて「Windows 10 Insider Preview Build 20161」の提供を開始した。Startメニューの新デザイン、[ALT]+[TAB]キーのMicrosoft Edgeタブのサポート、通知バナーの改善など、様々なアイディアを試している。
Windows Insiderプログラムは6月にプレビュービルドの配信方法を従来のリング制からDev/ベータ/リリースプレビューの3つのチャネル制に移行させ、今月からチャネル制での本格的な運用を開始した。ベータとリリースプレビューが将来のWindows 10リリース (例:Windows 10 20H2向け)の開発プレビューであるのに対して、Devチャネルは特定のWindows 10リリース向けではなく、初期の機能やアイディアを積極的にテストしてフィードバックを収集する場になっている。Devチャンネルのビルドが備える機能や技術は正式版にたどり着けるものばかりではない。A/Bテストのようにフィードバックを収集する目的でサブセットとしてロールアウトされ、一部のInsidersしかアクセスできないものもある。Windows 10正式版リリースの開発から切り離されたチャネルであり、実際に試用する人は限られるものの、その内容から将来のWindows 10を長期的に見据えた取り組みが読み取れる。
ビルド20161で導入されたStartメニューは、統一感のあるすっきりとしたデザインだ。アプリのタイルの背景色がソリッドカラーからStartメニューにとけ込むような色に変更された。ダーク・テーマとライト・テーマを切り替えても違和感を覚えないデザインであり、Fluentデザインに従って新デザインになったアプリのアイコンともマッチする。
[ALT+TAB]のEdgeタブのサポートは、生産性の向上を目指したEdgeの強化・改善の一環だ。[ALT]+[TAB]キーはタスク切り替えのショートカット。開いているアプリの一覧を表示して、キーボード操作で素早く切り替えられる。現在の正式版で[ALT]+[TAB]キーを使うと、Webブラウザは開いているタブのみ表示されるが、Edgeの全てのタブを表示して目的のタブのWebページに切り替えられるようにした。このマルチタスク機能は設定で、最後に開いたいくつかのタブだけにしたり、機能を完全に無効化することが可能。
新しくMicrosoftアカウントを作成したり、Windows 10に新規でログインした場合に、ユーザーのPC環境に合わせたタスクバーにパーソナライズする機能をテストする。例えば、Androidスマートフォンとリンクさせたユーザーには「スマホ同期」アプリを、ゲーミングPCでXbox Liveアカウントを持っているユーザーにはXboxアプリをタスクバーにピン留めしておく。ユーザーが必要とするアプリを目立たせることで、新しいPC環境にスムースに入っていくのを支援する。
通知バナーの改善は、バナーの左上にアプリのロゴを表示、右上に設けられた[X]を押してバナーをすみやかに消せるようにした。通知は便利な機能だが、不要な通知はユーザーの生産性を引き下げる。ユーザーの邪魔になり得る通知を減らすように、Focus Assist (集中モード)の通知と通知の要約バナーをデフォルトでオフする。2-in-1デバイスでは、キーボードを外した際に、通知バナーでタブレット・モードへの切り替えを尋ねているが、ビルドビルド20161では通知バナーを表示せず、May 2020 Updateで導入した新しいタブレット体験に直接切り替わるようにした。このふるまいは「設定」の[システム] [タブレットモード]でカスタマイズできる。
「設定」アプリの拡充の一環として、コントロールパネルのシステム・ページの情報を「設定」の[システム]の[バージョン情報] に移動させた。コントロールパネルのシステム・ページの情報へのリンクも[バージョン情報]が開くようになっている。他にも、[バージョン情報]の[デバイスの仕様]に、デバイスの情報をコピーできるボタンを設けた。
7月1日に、Windows InsiderプログラムのWebサイトを新デザインに刷新した。開発者の参加や交流を促すように、Webコンテンツへのアクセス性を向上させた新しいフレームワークで構築した。現時点で新デザインはUS英語のみだが、他の言語にも順次提供を拡大していく。