7月1日、インテル株式会社は国内教育市場向けの最新の取り組みに関して会見を行った。内容を説明した同社 執行役員パートナー事業本部長 井田晶也氏によると、施策のポイントは3つあるという。
GIGAスクール構想の先を見据える
一つ目の柱は「一人一台教育PC実現」だ。文科省は全国の小中学校に対するGIGAスクール構想を発表しており、昨年から具体的に動き出している。令和2年度で補正予算が計上されたことでインテルは本年度内の配布を目指すという。必要な数百万台分のパソコンの円滑な導入を実現するため、パソコンのインテルパーツ(CPU/ネットワーク/メモリ)の供給をパソコンメーカーと連携する。
一方、公立高校や私立学校でも一人一台のパソコンを導入する動きがあり、自治体と連携することでBYOD/BYADを行う。特に教員向けPCに関してはBYAD(Bring Your Assigned Devide)でスペックを定め、インテルとしてはvProによる管理性とセキュリティを確保。オンライン授業や教材作成と言った教務への活用を促進するという。
二つ目の柱が「次世代教育サポート」だ。コロナ禍においても学びを止めない事が重要になるが、文科省の調査では公立学校での双方向Web授業が行われたのは全体の5%程度と低く、「ICTの環境整備という点で世界よりも遅れがある(井出氏)」という。教室や教員の自宅からでも遠隔授業を実現できる環境の整備に加えて、すべての教員がオンライン授業が行えるような教員研修を強化するという。
教員研修に関してすでにIntel Teach Programを提供しているが、加えて最新テクノロジーを利活用するための学習スキル群を育成する授業カリキュラムデザイン&教授法研修プログラム「Skills for Innovation」をデザインし、今年後半から提供する予定となっている。
教育にもデータを積極手金い利活用したDcXを
最後、三つ目の柱が「教育DcX・NewTech推進」だ。昨今DX(Digital Transformation)が叫ばれているが、インテルはDXよりもデータ中心にとらえたDcX(Data Centric Transformation)という方向性を発信している。
すでに志のある教育機関はICT機器を積極的に取り入れ教育効果の底上げを行っている。一人一台教育用PCが実現されれば格差緩和になるものの、データの利活用が遅れると格差が広がるという。
EBPM(Evidence-based Policy Making)を促進するためにデータの集約や、提供の窓口・二次利用の改革を行うことで、テストだけでは測れない内申書等にも活用できるという。
教育改革に向けた最新テクノロジーの導入もパートナーと連携して支援したいという。具体的にはSTEAM/Programming教育推進のためのテクノロジーの積極導入支援を考えているとのこと。
あわせてダイワボウ情報システムとの共同で行う「オンライン教育推進PC機器無料モニターキャンペーン」を紹介した。モニターとしてvPro搭載パソコンや4Kカメラ、USBマイク、ビデオ編集ソフト等がセットで提供され、vProによる遠隔集中管理を体感できるとともにオンライン授業用動画配信や教材作成が行える。
インテルはこのキャンペーンで、全国の小中高特別支援校を対象に20校程度を選考し、8月中旬から来年4月まで取材やインタビューの協力を条件に無料モニターとしてオンライン授業に活用してもらうという。
キャンペーンは7月2日より特設募集サイトにて希望者の受付を行い、一校当たり2~5セットが提供されるという。