米Googleは6月30日 (現地時間)、スマートグラス「Focals」を開発・提供するNorthの買収を発表した。Northは現在本社を置くカナダのキッチナー=ウォータールーを拠点に活動を続ける。

Northは2012年設立。ジェスチャーを使ったインプットを可能にするアームバンド型デバイス「Myo」、デザインもスマートなスマートグラス「Focals」で話題を集めた。Focalsは普通のセルフレームのメガネをかけているような見た目と装着感のデザインで、つる部分に小さな網膜プロジェクタを備え、レンズに反射させて情報をユーザーの目の前に映し出す。そのアイディアと技術は高く評価されていた。だが、ビジネス面では苦戦し、昨年1月に999ドルで発売したFocalsをすぐに599ドルに値下げ。事業を継続していくために約150人の人員削減を行い、「Focals 2.0」で巻き返しを狙っていた。

  • Focals 1.0

    Focals 1.0

Googleによる買収で、Focalsのプロジェクトは白紙に戻される。Focals 2.0を出荷する計画は中止、Focals 1.0は終了に向けて縮小させていく。GoogleのRick Osterloh氏 (デバイス&サービス担当SVP)は、「Northの技術的な専門性は、ハードウェアの取り組みとアンビエントコンピューティングの将来に向けたGoogleの投資を継続していく上でプラスになります」としている。Northの資産と経験を活かした製品がMade by Googleから登場するのか、それとも技術面でMade by Googleの製品に関わっていくだけなのか、現時点でNorthの今後については不明だ。