総務省は6月30日、2020年5月の労働力調査(速報)の結果を発表した。それによると、5月の完全失業率(季節調整値)は前月比0.3ポイント上昇の2.9%となった。新型コロナウイルスの影響を受け、3カ月連続で悪化し、2017年5月(3.1%)以来、3年ぶりの高水準を記録した。

失業者数、200万人に迫る

  • 完全失業者の対前年同月増減と完全失業率(季節調整値)の推移(出典:総務省Webサイト)

完全失業率を男女別にみると、男性は同0.3ポイント上昇の3.2%、女性は同0.2ポイント上昇の2.5%となった。

完全失業者数(原数値)は前年同月比33万人(20.0%)増の198万人と、4カ月連続の増加。就業者数(原数値)は同76万人(1.1%)減の6,656万人と、2カ月連続で減少した。

雇用者数(原数値)は同73万人(1.2%)減の5,920万人と、2カ月連続の減少。雇用形態別にみると、正規の職員・従業員数は同1万人(0.0%)減の3,534万人と、8カ月ぶりの減少。非正規の職員・従業員数は同61万人(2.9%)減の2,045万人と、3カ月連続で減少した。

  • 求人、求職および求人倍率の推移(出典:厚生労働省Webサイト)

厚生労働省は同日、2020年5月の一般職業紹介状況を発表。それによると、5月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.12ポイント低下の1.20倍と、5カ月連続で低下した。倍率は2015年7月(1.20倍)以来、4年10カ月ぶりの低水準で、下げ幅はオイルショック後の1974年1月(前月比0.2ポイント低下)以来、46年4カ月ぶりの大きさを記録した。

都道府県別にみると、就業地別では、最も高かったのは福井県の1.73倍、最も低かったのは沖縄県の0.86倍。受理地別では、最も高かったのは福井県の1.66倍、最も低かったのは沖縄県の0.78倍となった。