TikTok Adsはこのほど、Z世代と呼ばれる1996年以降に生まれたユーザーのリアルな声をまとめた「Z世代白書(2020.6)」を発表した。

  • 世間体を気にしながら個性も大事にしているという"多面性"を持つ世代

Z世代はデジタルネイティブ世代であり、インターネットを介して自分の考えを発信するほか、人脈を広げるなど、他の世代に比べネットが身近であるという特徴がある。

さらにZ世代の行動は一見矛盾にあふれ、実態をつかむことが困難であるとのこと。しかしその矛盾こそがZ世代の特徴で、そこに今後の時代の新しい価値観やコミュニケーションの形を見つけることができるという。

人が自分をどう思っているか気にするか尋ねたところ、「気にする」と答えたのはZ世代73.4%、25歳以上の世代58.5%で、Z世代の方がかなり多かった。一方、「人と違う個性が重要だ」という回答も25歳以上の世代より多く、世間体を気にしながら個性も大事にしていることがわかった。

また、インタビューでは「有名になりたいからTikTokを始めた」(17才、男性、高校生)など承認欲求の強さがある一方、「撮ってる時が楽しい。いいねが来るかどうかは気にしない」(22才、女性、家事手伝い)という純粋な楽しさだけを追求する面も持ち合わせていることがわった。

Z世代の持つ"多面性"は、白黒はっきりさせるのではなく、そのまま同居しているというところが特徴的とのこと。

「失敗などのネガティブな面がある動画・投稿は信頼できる」という回答は、25歳以上の世代では27.4%であったのに対し、Z世代は49.0%だった。ネットでも、カッコつけている部分だけでなく、ネガティブなところもすべてが見えると初めて本物に見えてくるという。

インタビューでも「テレビで最近人気な芸能人はもう知らないけど、TikTokで有名な人は知っている」(23才、男性、地下アイドル)、「TikTokのインフルエンサーは近い感じ、親近感湧く」(20才、女性、インフルエンサー)という回答もあった。飾ってテレビに出る人よりも、素に近い友達やインフルエンサーに親近感が湧き、情報に信憑性があると思っていることがわかった。

  • 不完全なものが信じられる世代

Z世代は、インターネットやSNSの情報をつまみ食いするように「かじる」世代でもあるとのこと。人とのつながりもかじる傾向にあり、「SNS上でも友人を作ったことがある」と49.3%が答えている。「SNS上でしか話していない友人がいる」も35.9%で、いずれも25歳以上の世代よりも高くなっている。

  • 「SNS上でも友人を作ったことがある」Z世代は半数近い49.3%

また、「TikTokを見ていると、新しい発見があって興味が広がる」と66.7%が回答している。インタビューでは「料理系をよく見る。TikTokで見た動画を参考にして作ることもある。」(21才、男性、学生)、「下らないお笑い系が好き。」(22才、女性、フィットネスインストラクター)など、TikTokがきっかけで新しい興味を持ったり、好きになったりしている様子がわかった。

  • TikTokでかじって興味を広げていく世代

※調査概要 <定量調査> 2020年3月、全国15~69歳の男女1万7,333人(TikTokユーザー:806ss、TikTokノンユーザー:16,527ss、Z世代(15-24歳):305ss、25歳以上の世代:1,771ss)を対象にインターネットで実施。

<定性調査> 2019年10月23日~2020年2月19日、関東地区内16~27歳の男女80人(Z世代(15-24歳):73ss、25歳以上の世代:7ss)を対象に実施