家計のやりくりの取材で、主婦の方に食費を減らす工夫についてお話を伺っていたときのことです。「何をどうしたら食費が減るのか、よくわからなかったので、とにかく安い食材ばかりを買っていたら、献立が白っぽくなっちゃって……」とのこと。
最初はイマイチ話の内容が理解できなかったのですが、よくよく聞いてみると、「安い食材は白っぽいものが多い」という結論に達しました。長年、食費節約の取材をしていますが、目からウロコの新発見で、「なるほど」と合点しました。白っぽい食材で献立をまかなうと食費は本当に下がるのでしょうか?
白っぽい食材の代表といえば、まず豆腐
高級スーパーでは、こだわりのブランド豆腐なるものが売っていますが、庶民的なスーパーなら、安いものは50円以下で買えてしまいます。激安なら450g=38円なんて安さのものも。
その昔、豆腐はおからと並んで「かさ増し」食材として人気を集めていました。ひき肉ダネに混ぜてこねれば、ふわふわ肉団子に。副菜があと1品欲しいときは、冷やっこや温やっこに。おろししょうがや刻み大葉を添えると、さまになります。
豆腐の仲間の高野豆腐も、食費節約には欠かせないアイテム。保存が効くので、特売になっていたら、マストバイです。
うどん、そうめん、ひやむぎは食費節約お助け"3きょうだい麺"
食費節約を実践している人で「週に1回は夕飯を麺の日にする」という人が結構多いです。食費節約はもちろんのこと、麺の夕飯は作る作業もラクにしてくれます。
うどん、そうめん、ひやむぎは安値安定の食材。スーパーのPB商品を選択すれば格安で買えます。乾麺のそうめんとひやむぎはもちろん、うどんは冷凍のものを購入すれば日持ちも優秀です。
「和風」にとらわれずに、そうめんとひやむぎは茹でて、ビーフン代わりに炒めものにしてもよし。カッペリーニの代用で冷製トマト麺にしても。うどんとカレーの残りを合わせたカレーうどんは節約メニューの定番です。
激安野菜といえばもやしとえのき
もやしは食費節約のマスト食材。安いものだと、1袋=9円なんていうのもあります。もやしに限らず、白っぽい食材に共通して言えのが、自己主張しないのでどんな食材とも相性がいいこと。特に炒めものにはもってこいで、肉やそのほかの野菜が少しでも、もやし1袋を投入すれば、ボリュームアップします。
またえのきはきのこ類の中でも、安さがピカイチ。2袋で80円というときも。もやしはビタミンCが、えのきは食物繊維が豊富で栄養価的にも優秀な食材です。
鶏むね肉は食費節約の"神食材"
食費節約に成功した人全員と言っていいほど、もれなく鶏むね肉を愛用しています。「食費は節約したいけど、肉は食べたい……」というモヤモヤを解決してくれるのが鶏むね肉なのです。
肉のなかでも安さは断トツで、安いときには、国産で100g=38円なんとことも。もも肉に比べてパサつきが気になるのが難点ですが、下味をつけるときに、ヨーグルトを少量加えると肉がしっとりするので、試してみては?
中身は黄色でも外側が白い卵
食費節約に欠かせない食材の最後を飾るのが卵。「完全栄養食」と言われるほど栄養バランス満点の食材で、コスパも最高、日持ちもいい……と三拍子も四拍子もそろっています。
食費節約達人さんは、「〇〇スーパーは火曜日に卵が1パック=98円になる」と、卵の特売日を把握しています。それくらい、食費を減らすには欠かせない食材です。1パック=98円とまではいかないまでも1個=12~16円でゲットできます。親子丼、オムレツ、オムライスなどメインおかずのほかにも、ハンバーグ、カレー、焼きそばなどにトッピングすると、定番メニューが見た目も食べ応えもアップします。
「白っぽい」を「茶色っぽい」にするのがコツ
白っぽい食材をおいしく調理するときの共通のコツは、「白っぽい」を「茶色っぽい」にすること。白っぽい食材は味が淡泊なので、味つけをしっかりしないと、白飯のおかずとしては物足りなくなります。
しょうゆやみそで味つけをして茶色っぽくすると、白飯のおかずに最適。砂糖、酒、みりんを加えて「甘辛味」にすると、最強の味になります。
まとめ
「食費を減らしたいけどうまくいかない」という人は、とりあえず献立に「白っぽい食材」をどんどん取り入れてみてはいかがでしょうか。白っぽい食材はコスパに優れたものが多く、献立に取り入れることで、自然と食費を抑えることができるので、すぐにでも試してみてください。