パナソニックは6月23日、コードレススティック掃除機「パワーコードレス」シリーズの新製品となる「MC-SBU840K・MC-SBU640K」を発表しました。最大の特徴は、ヘッド内の回転ブラシにペットの毛や髪の毛などの長いゴミが絡まりにくいこと。なんと、髪の毛の絡まりは99%以上防げるといいます。
発売は7月20日で価格はオープン。推定市場価格(税別)はMC-SBU840Kが95,000円前後、MC-SBU640Kが75,000円前後です。両者の違いはアクセサリーの種類やLEDヘッドの有無などで、上位モデルのMC-SBU840Kにはロングホースが付属します。
コードレス掃除機、長年の悩みだった「ブラシの絡まり」
最近はメインの掃除機として、当たり前のようにサイクロン式のコードレス掃除機が選ばれています。そして、高性能コードレス掃除機の多くに搭載されているのが、ヘッド内の回転ブラシです。回転ブラシのおかげで、掃除機はゴミを「吸う」だけでなく「掻き出し」も可能になりました。
掻き出す効果によって、カーペットに絡まったゴミはもちろん、フローリングの溝に入り込んだホコリなどもスッキリ掃除。一方で、回転ブラシの台頭とともに、ブラシに絡まる髪の毛やペットの毛といった問題が。絡んだ髪の毛はブラシの回転を邪魔するため、ある程度の毛が絡まるとブラシが止まってしまいます。掃除機によっては、掃除中に何度もブラシに絡まった髪を取り除く手間が必要です。
そんな回転ブラシ問題を解決してくれるかもしれないのが、今回の新製品に搭載されている、円錐型ダブルブラシを採用した「からまないブラシ」。
一般的な回転ブラシは一本の細長い筒形状ですが、からまないブラシは「髪を絡ませない」ために特徴的な形状になっています。ブラシが中央に向かって先端が細くなる円錐形状をしており、さらにブラシは中央で2つのパーツに分離しているのです。
ブラシはV字型に植毛されているため、ヘッド中央部がもっとも吸引力が強くなっています。ブラシに絡んだ髪の毛といった糸状のゴミは、回転する円錐ブラシの細いほう(ヘッド中央)に移動します。そして、中央に達した毛はブラシ中央の隙間から集じんされるという仕組み。この機能によって、長い抜け毛も99%、ブラシに絡まないとしています。
また、これまでの掃除機は、ヘッド裏にある回転ブラシ以外の小さなローラー(車輪)などにも髪や糸くずが絡まることがありました。からまないブラシは、糸ゴミが絡みやすい溝などを廃止し、さらにローラー表面を滑らかに特殊加工。毛がローラーに吸着して絡まってしまう状況を防ぐ工夫をしています。
このほか、からまないブラシはヘッド前面に「ワイドイオンプレート」を搭載。このプレートは、ノズルから出るマイナスイオンの力で、静電気ではりついた微細なゴミを引きはがす効果があるそう。密集ブラシとワイドイオンプレートを組み合わせることで、フローリングを掃除したあとは雑巾で拭いたような仕上がりになるといいます。
ブラシ以外の性能ももちろん優秀
パワーコードレスは、パナソニックのコードレス掃除機のフラッグシップモデルだけあって、からまないブラシ以外も優秀です。
とくに注目したいのは、パワフルな吸引力。吸引仕事率はコードレス掃除機としては破格の205Wもあります。キャニスター掃除機とほぼ同等の吸引力です。吸引力の強い掃除機は消費電力も大きいイメージがありますが、自動モードでの運転時間は約18~30分。ロングモードなら約40分、ブラシの回転機能をオフにした状態なら最長約90分の連続運転が可能です。
ほかにもさまざまな便利機能を搭載しています。実際に触って便利に感じたのは、「親子のノズル」です。ヘッド横に付いているペダルを足で踏むと、ヘッドがぽろっと外れて細長い形状のノズルに切り替えられます。細いノズルを使いたいとき、いちいちしゃがまずにすむのはうれしいポイントです。また、MC-SBU840Kモデルのみ、子ノズル使用時はLEDを点灯させられます。家具の隙間など、暗い場所の掃除にとても重宝します。
ちなみに、今回の発表で一番注目された「からまないブラシ」は、パワーコードレス MC-SBU840K・MC-SBU640Kだけでなく、紙パック式掃除機「MC-JP830K」、サイクロン式掃除機「MC-SR580K・SR38K」にも搭載される予定です。