新型コロナウイルス感染症がさまざまな業界に影響を与えている昨今、ライター業をしている筆者にもいろいろなことが起きています。最も大きいのが、企業が感染防止のため、発表会やインタビューなどの取材案件をほぼすべてオンラインで実施するようになったことです。
そのため筆者は取材で移動する時間が不要になり、すぐ原稿を書き始められるようになったことから執筆効率は大幅にアップ。昨年比で約1.3倍の原稿執筆をこなしている状況なのですが、キーの打ち過ぎで指に痛みが走るように……。一番痛いのは左手の小指です。
理由はCTRLキーにありました。筆者は約20年来、Windows版の同じテキストエディターを使っており、執筆しやすくするため相当なカスタマイズを施しています。中でもよく使っているのが、左側のCTRLキーとI・J・K・Mキーのいずれかを押すことで、両手のホームポジションを崩すことなくカーソルを上下左右に移動する「ダイヤモンドカーソル」に類する操作です。
コピー&ペーストなどの操作でもCTRLキーを使うことから、もともと左の小指を伸ばすことは多いのです。それに加えて、原稿を書く効率が上がってキーを打つ回数が増えた結果、小指を伸ばす機会が一層増えてとうとう悲鳴を上げてしまった……というワケです。
CTRLキーは右側にもあるので、そちらを利用すればいいのでは? という声も聞こえてきそうですが、右側の小指もEnterキーやBackSpaceキーで多用することから負担が大きく、これ以上酷使すると左手の小指と同じ運命をたどるのは明白。ほかの指で代替するのも難しいことから、考えたのが「足」を使う方法。足を使ってCTRLキーを押すことができれば、小指を使う回数を減らせるのではないか?
といっても足でキーボードを押すのは現実的ではないので、足で押せるキーはないものかと物色していたところ、足で踏むことで特定のキー入力を代替するUSB接続型のフットスイッチというのがいくつかあったので、そのうちの1つを購入してみました。
値段は1,300円ほど。本体には「FSI-P」という名称が書かれていますが、メーカー名の記述はなし。調べてみるとRDing Technologyという中国企業の製品らしく、OEM提供もされているようです。樹脂製で質はあまり高いとはいえませんが、とりあえず試すには十分でしょう。
使い方はそれほど難しくなく、まずはパソコンのUSB端子に接続し、付属の8センチCD-ROM(!)に入っている「FootSwitch」というアプリをインストール。このアプリを使って、フットスイッチを押したときのキー操作を割り当てます。マウス操作やゲームキーなどの割り当ても可能なようですが、筆者の用途としてはCTRLキーが使えれば十分です。
設定が終わったら、フットスイッチを踏んでCTRLキーを押せるようになりますが、重要なのはむしろ操作そのもの。筆者はピアノやドラムの経験もなく、これまで足と手指を同時に動かすようなアクションをしたことがないので、キー操作と足の動きをうまく合わせるのに少々難儀しました。
とはいえ、しばらく使っていれば徐々に慣れてくるもの。タイミングが合わず操作がずれてしまうことが時折あるものの、指とそれほど変わらない感覚で「足操作」ができるようになりました。フットスイッチを踏んでいる限りはCTRLキーが押されている状態となるため、慣れてしまえばコピーやペーストなどのショートカット操作も指一本でできるというのは、なかなかのメリットです。
これで小指の負担が減って指の痛みも和らいで問題解決……と思ったのですが、実際にやってみるともう1つ問題が。なぜなら左手の小指はCTRLキーだけでなく、大文字・小文字の打ち分けや記号の入力などで、Shiftキーを押すにも多用します。Shiftキーを押すとき、左手小指に痛みは軽くなりません。
ではどうしたのか? というと、もう1つ同じフットスイッチを追加してShiftキーも足で押すことに。両足操作にはまだまだ慣れず、Shiftキー操作はCTRLキーほどとはいきませんが、それでも小指の痛みを解消するという課題は解決できそうです。ただ将来的に、フットスイッチの使い過ぎで足が痛くならないかと気になるところではありますが……。