昨年3月に現役を引退したイチロー氏が、SMBC日興証券のWEB動画「おしえて!イチロー先生」で、挫折した過去を振り返った。

  • WEB動画「おしえて!イチロー先生」で教壇に立つイチロー氏

YouTubeで1,000万再生を突破するなど、大好評だったWEB動画企画の第2弾。今回は、イチロー氏が「憧れ」と語っていた先生になり、子どもから大人までの様々な質問に答えた。

その中で、歯科助手をしながらモデルを続けている女性から、「もう見切りをつけて違う道を選ぶかをたまに考えて悩むことがあって。イチローさんは今までの野球人生で不安になることや自信をなくすことはありましたか?」と質問が寄せられた。

これに対してイチロー氏は、「ずっと不安でしたよ。自信はあったんですけど、個人競技ではないので。野球は個人競技の要素もすごく強いんですけど、チームの競技という側面があるので、どうしてもそことの摩擦は生まれるんですね。僕は、向こうでは外国人ですから。そこで自信を失ったことはあります」と打ち明け、「野球に関して自信を失ったことはないです。ただ、それを取り巻く環境に対応できるかどうかは別問題だったので、そことの向き合い方には悩みました。何年か。2006年とか2007年は、そこがもう嫌になって日本に戻ろうとしました。2019年までは結局、現役を続けましたけど。その12~13年前、日本に戻ってプレーすることを真剣に考えました」と告白。

そして、「ただ、この1回。僕にとっては相当でかいことでしたけど、同じユニフォームを着ていても、全員敵だったので。当時、全員とは言わないまでも、敵が多かったのでこれはなかなか大変でした」と自身の苦悩を述懐し、「でも、ギリギリで踏みとどまってよかったなという経験が僕の中にはあるので、一度は頑張ってほしいなと思います」とその女性に励ましの言葉を送っていた。