米Appleは6月22日(現地時間)、オンラインで開催されたWWDCの基調講演において、今秋リリース予定の新OS「watchOS 7」に搭載される新機能を紹介した。おもなものは、コンプリケーションの強化、文字盤のシェア機能、睡眠トラッキングなど。watchOSとしては初めてパブリックベータが提供される。

  • watchOS 7は、文字盤をより柔軟に活用できる環境に。睡眠計測もようやく搭載する

より多彩なコンプリケーションと、文字盤の共有

watchOS 7では、Apple Watchの使い勝手を左右するコンプリケーションに、より高い自由度が与えられる。まず、従来同じアプリのコンプリケーションは1画面に1つしか配置できなかったが、watchOS 7では複数配置できるようになる。

  • 同じアプリから、複数のコンプリケーションを配置することが可能に。例えば「Nike+ Run Club」なら距離、ペース、目標タイムなどを一覧できる“ランニング用文字盤”の作成が可能に

また、コンプリケーションを配置できる文字盤のデザインもより多彩になり、設定方法もよりわかりやすく改善される。コンプリケーションの開発にはネイティブSwiftUIが利用できるようになり、開発の自由度もより高くなる。

  • 文字盤にコンプリケーションを配置する際、プレビューしながら選択が可能に

文字盤には、新たにシェア機能が追加され、AppStoreやWebサイト、SNSなどで配布することが可能に。自分でカスタマイズしたものを家族や友人にシェアできる。配布された文字盤は、タップするだけで「マイ文字盤」に追加される。

  • カスタマイズされた文字盤を簡単に配布・共有することが可能に。ユーザー同士のアイデアで活用の可能性が広がることが期待される

Apple純正の睡眠計測がついに登場

これまでリクエストが多かったという睡眠計測機能が、ようやくAppleから提供される。睡眠中のモニタリングだけでなく、よりよい眠りをサポートする「就寝準備」、起床時のアラームなどにも配慮。また、iOS 14だけでも睡眠スケジュールと就寝準備、睡眠モードの利用が可能だ。

  • 睡眠スケジュールに合わせて、よりよい眠りのためのルーティーンをサポートする就寝準備機能も搭載。睡眠中はシンプルな時刻表示だけの睡眠モードになる

  • ヘルスケアアプリで記録を表示。iOSだけでも睡眠スケジュール設定や就寝準備機能を利用できる

ワークアウトの種目には、新たに「ダンス」を追加。ヒップホップ、ラテン、カーディオダンスなどに対応する。iPhone側の「アクティビティ」アプリは、名称を変更して「フィットネス」となる。

  • 「ダンス」では、加速度センサーとジャイロスコープのデータから、動作が腕のみなのか、下半身も含むのか、全身なのかを識別し、不規則な動きの消費カロリーを算出

そのほか、iOS 14と同じくSiriの言語翻訳や、Mapの自転車ルートなどに対応(日本語版での提供は現時点では不明)。ユニークな機能としては、手洗いの自動検知が搭載される。

  • 機械学習で手洗いの動きを検出し、水の音などから洗っている時間を計測する

watchOS 7の開発者向けベータは、すでにApple Developer Programメンバー向けに提供が開始されている。watchOSとしては初となるパブリックベータが7月より提供される予定。正式リリースは今秋を予定し、対応デバイスはApple Watch Series 3以降(iOS 14以降を搭載したiPhone 6s以降が必要)となっている。