THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのボーカルで、俳優としても注目を受けている川村壱馬が、初のフォトエッセイ『SINCERE(シンシア)』(幻冬舎)を23日に発売する。BOOKコンセプトから加わり、自身について深く内面もさらした同書は、川村の憧れの地・ロサンゼルスで撮影され、様々な姿を写し出している。

今回は、川村にインタビュー。初フォトエッセイへの思いや、撮影で感じたこと、また新型コロナウイルス感染拡大防止のための自粛期間で考えていたことについてなど、話を聞いた。

  • 川村壱馬

    川村壱馬(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE) 撮影:宮田浩史

■ロサンゼルスで撮影チームの心が一つに

――今回初のフォトエッセイということで、ぜひお気に入りの写真とその理由を教えてください。

砂地が広がる中でネイビーのロングコートを着ているカット(P184〜189)が、すごくお気に入りです。ファンタジーっぽい雰囲気のある衣装だったので、2次元から飛び出してきた感が欲しくて、コンセプトに近いものができたんじゃないかなと思いました。

――日常っぽい雰囲気から、ファンタジーのような雰囲気まで、色々な姿が見られますよね。最初からそういうコンセプトだったんですか?

色々な表情や表現の引き出し、多面性を感じていただける作品にしたかったんです。ページをめくった時に、「あれ、壱馬のフォトエッセイを買ったはずなんだけど違うのかな……? いや、壱馬だ」と思ってもらえるくらい、ワンシーンごとに違った出来上がりを感じていただければ嬉しいです。

――ベッドに寝転んだ、セクシーな感じもあったり。

ベッドでの写真は、あの雰囲気にも関わらず、ロサンゼルスについてからすぐの撮影で(笑)。料理するシーンが最初で、その次にベッド、くらいの早い段階でした。

  • 撮影:HIRO KIMURA (『SINCERE』より)

――エッセイの中で、ロサンゼルスの撮影が楽しくて「ロス・ロス」になってしまった……というお話がありましたが、撮影はどんな雰囲気だったんですか?

撮影チームの皆さんと僕、全員の心が一つになっていて、一切妥協がありませんでした。初めて顔を合わせる方もいたんですけど、一瞬のうちに仲良くなりました。向こうのバイブスがあったおかげかもしれないですけど、皆さん人柄が素敵で、撮影チームの心が完璧な状態でつながっている感覚があったので、すごく楽しかったです。撮影が終わってしまうのが寂しくて、自然と「あと2カ月くらいいましょうよ」という言葉が出るくらいでした。自分でも驚き半分、幸せ半分という感じで、最高の瞬間でした。それで”ロス・ロス”がひどかったです。撮影に入る前には、そんな気持ちになるなんて、全然予想できなかったです。

――「人生かけて向き合って作った」というコメントもありましたし、すごく想いの込められた作品になっているんですね。

個人の作品として作り上げるとなると、全部のことが未来につながっていくと思い、かなり気合いは入っていました。グループ活動の中でも発信はしているんですが、自分のことをここまで深く掘り下げる機会はなかなかないじゃないですか。ここで自分の中身まで知っていただいたら、今後の音楽や発言にもつながって、より説得力を感じていただけるのではないかなと思いました。「こういう人間です」ということを、深く伝えたかった。

――THE RAMPAGEの皆さんの反応はいかがでしたか?

写真はけっこう見てもらいました。印象的だったのは、リーダーの陣さんが「これやって様になんねんで! 俺がやってもこんなんならへん!」と言ってくれたことなんですけど、僕は陣さんの写真も見たいです(笑)。

――先輩の皆さんや、俳優のお友達にも渡されたりしますか?

お世話になってる方には、自分で買ってでも、お渡ししたいですね。ただ、僕は少し遠慮してしまうタイプでもあるので、自分が後輩だからというだけで渡してしまってもいいのか……と迷ってしまうこともあるかもしれません。

共演した方にもぜひお渡ししたいです。もしかしたら、「川村壱馬からもらった」とSNSに上げてくださるかもしれないですけど、全然、そんな風に気を使っていただかなくても良いというか、シンプルに見ていただきたいという気持ちで、お渡ししたいです。

■改めて感じた感謝

――新型コロナウイルス感染拡大防止のために、自粛期間が続きましたが、川村さんはどういうことを感じていましたか?

自分のスキルを磨いて頑張っているメンバーもいる中で、自分はわかりやすく何かできたという部分があんまりなく、ずっと考えてばかりいたような気がします。いつもお仕事をいただいているからこそ、色々なことができたりしますけど、「自分って何者なんだろう」と思う瞬間が、本当に多くて。こういう状況になって、ブログのコメントなどで改めて「こんなに応援してくださってる方がいるんだ」ということに感謝しました。改めて自分ができることの少なさを感じて、より深く「皆さんあっての自分なんだ」ということを考えました。自分のちっぽけさを痛感する期間でもあり、皆さんに対してのありがたみを実感する期間でもありましたね。

――メンバーの皆さんとは、よくリモート会議をされていたとか。

メンバーとのリモート会議で「何かできないかな」とアイディアを出し合い、インスタライブも行いました。そういう発信に対して、ファンの方が感想のコメントをくださったりして、自分もすごく読んでいました。僕らも作り込んで発信したものに自信は持ちながらも、受け取る側の感覚はわからないので、どこかに「喜んでもらえているのかな」という不安もあるので、感想をいただくと本当に嬉しいです。

――そういう状況で、新たな作品としてフォトエッセイが発売されると、よりファンの方にも楽しんでもらえそうですね。

自宅で楽しんでいただける作品になっているので、たくさんの人に楽しんでもらいたいです。これまでの反動が大きいと思うので、「もう大丈夫」という感覚になり過ぎてしまわず、今後も注意は必要なのかなと思っています。

  • 撮影:HIRO KIMURA (『SINCERE』より)

――それでは、改めて作品を楽しみにしている方へメッセージをいただけたら。

グループで活動させてもらうことがメインであった中で、自分というものを表現させてもらえる機会をもらってとても嬉しいですし、作品を通して、生い立ちから考えていることまで深く掘り下げて発信させていただきました。夢を叶えるということに関しても、皆さんに勇気を持ってもらえたらという思いも込めて発信させていただいていた部分もあるので、皆さんの人生にささやかでもいいので、良い影響になったらと思います。ぜひ手に取って楽しんでいただけたら嬉しいです。

  • 『SINCERE』川村壱馬(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)/幻冬舎 通常版 税抜 2,400円

■川村壱馬 1997年1月7日生まれ、大阪府出身。THE RAMPAGE from EXILE TRIBE のメンバー(ボーカル)。2014年4月、「VOCAL BATTLE AUDITION 4」に合格し、同年9月、同グループの正式メンバーに。2018年にドラマ『PRINCE OF LEGEND』で俳優デビュー。他、同シリーズの映画版『PRINCE OF LEGEND』(19)、その続編となる映画『貴族降臨 -PRINCE OF LEGEND-』(20)、映画『HiGH&LOW THE WORST』(19)に出演するなど俳優としても活躍する。