ビッグデータマーケティングのTrue Data(トゥルーデータ)はこのほど、同社が保有する統計データをもとに、ドラッグストア、食品スーパーマーケットにおける2020年5月の消費動向を発表した。

同調査は、同社が保有する全国ドラッグストア、食品スーパーマーケットのPOSデータをもとに統計化した購買データで集計。なおデータには、店舗・個人を特定する情報は含まれていない(データ抽出日:2020年6月16日)。

数値は、小数点以下第2位を四捨五入。カテゴリ別伸び率ランキングは、生鮮・惣菜カテゴリ及び、カテゴリ名に「その他」を含むものを除外し、1店舗あたり200個以上売れているカテゴリを集計している。

  • ドラッグストア1店舗あたりの購買金額は、ほぼ前年並み。売上伸び率は「マスク」が前年の約7倍を記録

当月は両業態ともに、供給が回復しつつある「マスク」の売上がさらに伸長した。「ハンドソープ」「ウェットティッシュ」の伸びも高く、ドラッグストア、食品スーパーともにこの3カテゴリが伸び率TOP3を占める結果となった。新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」が推奨されており、気温の高い夏場においても「マスク」の需要がどの程度高まるのか注目される。

全国ドラッグストアにおける2020年5月の1店舗あたりの購買金額は前年同月比0.1%減少し、ほぼ前年並みだった。内訳を見ると、1店舗あたりのレシート枚数は前年同月比2.7%減少したが、1レシートあたりの購買金額が2.7%増加した。

売上伸び率ランキングでは、「マスク」がさらに伸長し、前年の約7倍を記録。4位、5位は食品カテゴリがランクインした。「香辛料(からし、わさび以外)」(おろしニンニク、おろしショウガ、ラー油など)や、手軽に調理できる「インスタント袋麺」が売上を伸ばしている。

全国食品スーパーマーケットにおける2020年5月の1店舗あたりの購買金額は前年同月比8.8%増加。1店舗あたりのレシート枚数は前年同月比7.3%減少したが、1レシートあたりの購買金額は前年同月比17.3%増加しており、前月同様、一度に多くの買物をする傾向が続いているようだ。

  • 食品スーパーマーケット1店舗あたりの購買金額は前年同月比8.8%増加。前月に引き続き「デザートの素」「ホイップクリーム」が売上を伸ばしている

「マスク」が大幅に売上を伸ばし、伸び率ランキングで1位となり、前年に対して約24倍を記録。前月に引き続き「デザートの素」「ホイップクリーム」が売上を伸ばしている。外出自粛が緩和された後にも自宅でのお菓子作りが定着するのか、今後の動向が注目される。

また同社では参考情報として、「マスク」の週次売上推移も公表。同社の購買データ分析ツール「ドルフィンアイ」で「マスク」の売上を週ごとに集計し、推移を調査した。1月下旬の売上急上昇や、その後の急落、4月後半以降に品薄が解消されつつある状況がデータから見て取れる。

ドラッグストアでは、1月27日週に売上がピークになった「マスク」は、その後急落。品薄が解消されたことから、4月13日週〜6月1日週まで継続して売上が前年を超え上昇傾向となった。

  • ドラッグストアの「マスク」は、1月27日週のピーク後に急落。その後、4月13日週〜6月1日週まで継続して上昇傾向

  • 食品スーパーマーケットの「マスク」、5月4日週の売上は1月27日週に迫る勢いを記録

食品スーパーマーケットは、5月4日週の売上は1月27日週に迫る勢いを記録している。同社では、食品スーパーマーケットで「マスク」を購入することも、日常的になってくるかもしれない、と分析している。