2019年10月から始まったキャッシュレス・ポイント還元事業は2020年6月末で終了予定となっています。最大5%の還元により、キャッシュレス決済の利用が増えたという人は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ポイント還元事業が終わった後のお得なキャッシュレス活用法として、各キャッシュレス決済事業者によるキャンペーンや、9月に開始予定のマイナポイントをご紹介します。
まだまだお得、キャッシュレス!
政府の専門家会議が提言した「新しい生活様式」の中には、電子決済の利用が推奨されています。図らずも新型コロナウイルスによる生活の変化がキャッシュレス化の追い風になったと言えるかもしれません。
キャッシュレス・ポイント還元事業は6月末で終了予定ですが、その後もキャッシュレス決済は生活の中に浸透していくでしょう。しかし、消費者の立場としては、今まであったポイントの還元がなくなってしまうと現金決済に戻ってしまう人も一定割合出てくると思います。
そこで、キャッシュレスはまだまだお得だということを、この記事で伝えていきたいと思います。
キャンペーンを利用する
ポイント還元事業が終わっても、キャッシュレス決済事業者による独自のポイント付与キャンペーンなどは行われる模様です。現時点の情報を元に、決済サービスの主要キャンペーンをご紹介します。
●PayPay
PayPayは6月1日から30日まで「ペイペイジャンボ(オンライン)」を開催しています。
対象ストア(オンライン)でPayPay残高で支払うと、抽選で決済金額の10倍が当たります。1等の決済金額の10倍が1,500本、2等の決済金額全額が1万5,000本となっており、上限は10万円となっています。さらに対象ストア(オンライン)での購入で最大10%が戻ってくるキャンペーンも同時開催しています。
7月1日から7日までは、「出前館使うならPayPayで決まり!」キャンペーンが始まります。
宅配・デリバリー店舗にアプリやウェブで注文できるサービス「出前館」でPayPay残高で支払いをすると30%PayPayボーナスが付与されます。
●LINE Pay
「Visa LINE Payクレジットカードで6ヶ月間20%還元キャンペーン」が5月25日から7月31日まで実施されています。
LINEが運営している格安スマホLINEモバイルの毎月の利用料金をVisa LINE Payクレジットカードで支払うと月額利用料の20%分のLINEポイントを最大6ヵ月間プレゼントするというものです。
また、Visa LINE PayクレジットカードをLINE Payの支払いに紐づけると、ポイント還元率が常に1%~3%となるため、LINE Payユーザーであれば、ぜひとも作っておきたいカードです。
●d払い
「生活応援キャンペーン」が開催されています。
ポイント還元事業の5%対象の店舗でd払いを利用すると5%分のdポイント(期間・用途限定)が還元されるキャンペーン(6月30日まで)が実施されています。合わせて10%の還元率となります。
7月以降も開催されているキャンペーンとしては、「ポイントぐらしキャンペーン」があります。対象店舗で税別600円以上の買い物をして、dポイントカードを提示するかd払いで支払いをすると最大1万ポイントやすみっコぐらし限定グッズが総計30万名に当たります。
※d払いキャンペーンはいずれもエントリーが必要です。
ポイントの2重取りで効率よく貯める
キャッシュレス決済サービスの中では、クレジットカードとスマホ決済の合わせ技でポイントの2重取りができるものが多くあります。
●PayPay×ヤフーカード
PayPayにヤフーカードを登録して、ヤフーカードから残高チャージをするとポイントの2重取りができます。また、ヤフーカードで決済するとPayPayボーナスが0.5%~1.5%付与されます(利用回数、金額による条件あり)。
●楽天ペイ×楽天カード
楽天ペイでは現在ポイント還元率は0%ですが、楽天カードを登録して決済に利用することで、ポイント還元率が1%になります。これは楽天カードで通常決済する時の還元率と同じなので、普通にクレジット決済をしてもよいでしょう。
また、楽天ポイントカードを支払い前に提示することでポイントの2重取りができます。楽天ポイントカード機能が付帯している楽天カードでも同様です。さらに、楽天カードの引き落とし口座を楽天銀行にするとポイント還元率が+1%となります。これらの合わせ技で還元率3%も可能です。
●d払い×dカード
d払いによるdポイントは通常、実店舗で0.5%、ネットで1%貯まりますが、これにdカードを組み合わせると+1%ポイントが上乗せされ、実店舗1.5%、ネット2%となります。
●LINE Pay×Visa LINE Payクレジットカード
LINE PayにVisa LINE Payクレジットカードを登録して決済すると、ポイント還元率が1%~3%となります。還元率は会員ランクに応じて変動します。
マイナポイントで最大25%還元
2020年9月からマイナンバーカードとキャッシュレス決済を連動させて、ポイントを付与する新制度「マイナポイント事業」が始まります。
マイナポイントをもらうには、最初にマイナンバーカードを取得する必要があります。次にマイナポイントの予約(マイキーIDの設定)をし、キャッシュレス決済サービスを選択すれば準備完了です。利用者は決済サービスを使ってチャージまたは購入すると、チャージ額または購入額の25%のマイナポイントが付与されます(上限5,000円)。
2万円チャージするだけで5,000円相当分のマイナポイントがもらえるというのは非常に魅力的です。マイナンバーカードをまだ取得していない人は今から準備しておくと手続きがスムーズにいきます。
キャッシュレスの本当にお得な使い方
さて、ここまで「いかにポイントを多くもらうか」に注目してきましたが、ポイントは利用して初めて得をするものです。せっかくためたポイントを無駄にした経験はないでしょうか。
・ポイントが利用できる利用可能ポイント数に達しなかった
・ポイント利用の有効期限が過ぎた
・ポイントを使える店が限定的だった
・ポイントの交換先によって還元率が減ってしまった
やみくもにポイントを貯めるのではなく、ポイントプログラムをしっかり理解した上でポイントを貯めないとポイントを無駄にする可能性があります。
効率よくポイントを貯めるには、ポイントを1つか2つに絞りましょう。つまりキャッシュレス決済選びが重要となります。
・よく利用する店で使えるか
・使いやすいか
・ポイントプログラムは魅力的か
・決済サービスの規模やシェアは大きいか
よく利用する店で使える点はもちろんのこと、使える店舗数が多ければ、ポイントは着々と貯まります。店舗数が多いということはその決済サービスのシェアが大きいということなので、群雄割拠の決済サービスの中で生き残る可能性が高いと言えます。
また、使いやすさも重要です。レジでの支払いであたふたしてしまって結局現金で払ってしまったとなったら元も子もありません。
キャッシュレス決済を選ぶ時、その人のライフスタイルが見えてきます。よく使うお店、よく買う商品、よく行く場所など、自分の生活を見つめなおす機会にもなります。自分にあった決済サービスを見つけられたら、一点集中で利用してみてください。思った以上にポイントが貯まると思いますよ。
著者プロフィール: 石倉 博子
女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」認定ライター/ファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP認定者)。"お金について無知であることはリスクとなる"という私自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。実生活における"お金の教養"の重要性を感じ、生活者目線で、分かりやすく伝えることを目的として記事を執筆中。エフピーウーマンでは、女性のための無料マネーセミナー「お金のmanaVIVA(学び場)」を無料開講中!