Mpow Japan(エムパウ ジャパン)は、ノイズキャンセリング機能を搭載した完全ワイヤレスイヤホン「X3 ANC」を2020年夏以降に発売する。価格は税別9,980円。発売日や予約開始日の詳細はWebサイト上とSNSでアナウンスするという。
AIR by MPOWを展開する中国のポータブルオーディオメーカー・パートゾン(Partzon)。そのMpowブランドの日本法人としてMpow Japanが2020年3月に設立され、第一弾として「X3 ANC」を展開する。X3 ANCは、ノイズキャンセリング(NC)機能を搭載しながら1万円前後と手ごろな価格を実現しており、日本ユーザーのニーズに合わせた改良も施している。
NCはフィードフォワード式で、イヤホン内部のデザインやチューニングを工夫し、NC効果をしっかり感じられる仕上がりとした。さらにノイズアイソレーション効果を発揮するよう、さまざまなユーザーの耳にフィットするイヤーピース(ハードタイプ・ソフトタイプ)を各3サイズ同梱している。
ダイナミック型ドライバーを搭載し、聴き疲れしない自然なサウンドを追求。BES2300Zチップを搭載し、Bluetooth 5.0に準拠。対応コーデックはSBCとAACをサポートする。
本体はIPX4の防水対応で、急な雨に強く、濡れた手でも操作できる。内蔵マイクでハンズフリー通話が行え、SiriやGoogleアシスタントの呼び出しも可能。内蔵のタッチセンサーで音楽再生/停止、音量調整や着信応答などの操作が行える。
NCオン時の連続再生時間は約6時間で、充電ケースと組み合わせて最大約24時間使える。NCオフ時は連続再生時間は約7時間、充電ケース併用で最大約27時間。充電端子はUSB-C。イヤホン本体の重さは片耳6g。イヤーピースや充電用ケーブルなどが付属する。
音を聞いてみる
X3 ANCのケースは手のひらに収まるくらいコンパクトで、気軽にどこにでも持ち出せる。ケースを開けてみるとイヤホン本体が収まっており、アップルのAirPodsのように側面から下に長く伸びるパーツがあるデザインになっている。操作用のタッチセンサーや充電端子はこのパーツに備わっていて、重量バランスがうまく取れているためか、通勤時など普通に歩いていてもイヤホンが耳から外れて落ちることはなさそうだ。
iPhone SE(第2世代)と接続して、Amazon Music HDでエド・シーラン「How Would You Feel(Paean)」を再生してみると、アコースティックベースの量感がダイナミック型らしい音圧で迫ってきた。低域がやや強い印象だが、ボーカルもしっかりと響き、決して安っぽいイヤホンにありがちな“軽い音”ではない。ロックやEDM、アニソンなども楽しく聴けそうだ。
ノイキャンは、テレワーク中に気になるエアコンなどの空調ノイズはまったく聞こえなくなり、しっかり効いている印象だ。ただ、地下鉄などでは人の声や甲高いレールの軋みなどは消えないため、出先ではほどほどに効く感じのようだった。右イヤホンの側面にあるくぼみ(タッチセンサー)に数秒タッチしていると「ピンポーン」という電子音が鳴ってオン/オフがすぐ切り替わるようになっており、操作しやすい。NCオフだと音楽停止時のホワイトノイズが若干気になったので、常時NCオンでいいだろう。
税込で1万円程度と手ごろな価格帯で、ノイキャン機能も搭載したX3 ANC。短時間の試用ではあったが、昨今のトレンドとなっているノイキャン完全ワイヤレスイヤホンの入門機として十分に魅力的なモデルといえる。Mpow Japanではさらなる新製品の投入も検討しているそうなので、今後の展開に期待したい。