横浜DeNAベイスターズとKDDIは6月17日、バーチャル「横浜スタジアム」などの実現に向けたビジネスパートナーシップの締結を発表した。au 5GをはじめとするKDDIの技術を取り入れ、次世代型の野球観戦モデルや新しい形のスポーツ・エンターテイメント体験の提供を目指す。
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、プロ野球の2020年シーズンは例年より約3か月遅れ、6月19日に開幕予定だ。今回のベイスターズとKDDIのパートナー契約は2019年8月の発表に続くものだが、新型コロナウイルス対応を意識した取り組みが追加されている。
目玉となるのが「バーチャルスタジアム」の構築だ。自宅から現地観戦体験を可能にするといった、現実のスタジアムにとらわれない環境下でファンとのコミュニケーションを実現するもので、au 5Gの活用も想定されている。
KDDIによると、具体的な展開方法は決まっていないが、横浜スタジアムに行かなくても、その場にいるかのような臨場感をもって、オンライン観戦できる仕組みを想定しているという。
ベイスターズとKDDIは、2019年8月から「スマートスタジアム」の構築などで連携している。これまでの取り組みとしては、スマホ決済au PAYのスタジアムへの導入や、期間限定のARスタンプラリーの展開などが行われてきた。
au PAYは2019年度、期間限定での導入となっていたが、2020年6月16日からスタジアム内の一部で恒常的に導入。スタジアム内の飲食店や売り子による販売で使えるようになる。
また、スタジアムでの新しい観戦体験の提供も予定されている。具体的には360度の自由視点映像やARデバイスを用いて、野球の試合をさまざまな角度から観戦できるような取り組みを展開する。当初、2020年春に実施予定とされていたが、新型コロナウイルス感染症の影響でプロ野球のシーズン展開が延期となったことから、この取り組みの実施も2020年シーズン中に延期されている。
このほか両社の連携では、横浜スタジアムへの5G基地局の展開も含まれる。現在は一塁側の客席の一部が5Gエリアとなっている。また、選手のトレーニングへのICT活用なども予定されている。