JR西日本は17日、軌道保線作業で用いるレール削正車とマルチプルタイタンパを新製車両に取り替え、省人化や生産性向上、労働環境改善を図ると発表した。
在来線のレール削正車には、車体下部に回転する砥石を複数個装備し走行しながら削る「砥石式」と、カッター状の刃を回転させ走行しながらレールを削る「ミリング式」があり、削ることでレールの耐用年数を延ばし、省エネや省資源化が可能となる。
レール削正車は現在、砥石式2編成・ミリング式1編成の計3編成となっているが、砥石式の2編成は老朽化のために取り替えられ、新たに1編成を加えた3編成に。ミリング式の1編成は継続使用され、新たに1編成を加えた2編成とする。
これにより、現状の3編成から5編成に増備(新製投入4編成)となり、レール削正を行うエリアを拡大することで、将来のレール交換作業量は約3割減少する見込みに。投入期間は2020~2022年度を予定し、投資総額は概算で54億円となる。
マルチプルタイタンパは、レールを持ち上げて動かしながら、振動するツールを用いてマクラギ直下のバラストをつき固めることにより、レールの歪みを整正する。新製車両は、車体と独立したつき固め装置を採用し、国内初という安定化装置の追加により、夏場の施工を可能にすることで工事の平準化を図る。これにより、ピーク月の作業回数が約3割減少する見込み。投入台数は9編成で、投入期間は2020~2022年度の予定。投資総額は概算で63億円となる。